2013年03月06日更新
北海道・十勝清水町の豆畑と沖縄の<あまがし>のレシピ
<真冬の十勝平野>
寒そうな風景、でも美しい。気温マイナス15度、1月の北海道十勝平野。
この雪の下は豆畑。真夏に訪れた時は一面緑の絨毯を敷いたようでした。そして冬の再訪 =初めてのマイナス10度越え体験= に毛皮の耳当て帽子で臨みましたが、有り難いことに風のない日で、体感温度は思ったよりも寒くはありませんでした。
<夫婦喧嘩の原因?>
秋に収穫した豆は、枝や葉などを除いて選別し、きれいに磨いてからの出荷となります。この農家さんは金時豆、うずら豆、小豆、納豆用大豆などを栽培されています。車を走らせながら、此処はじゃが芋、此処は玉ねぎと案内していただきました。全てまっ白な平原でありましたが・・・。ところどころに黒い土が見えている畑があって、それが気にかかりました。質問すると、前年のじゃが芋が発芽した畑は使い物にならないので、採り残したじゃが芋を凍らせるために雪を除くんだそうです。雪が保温の働きをしているんですね。でもこれは骨が折れる男の冬の仕事、しかも手を抜くと大変!発芽してしまったじゃが芋の処理作業は女の仕事。なので春の夫婦喧嘩の原因になるんだそうです!
<沖縄のあまがし>
なぜ突然 沖縄 ? いえいえ話はちゃんと繋がっています。豆を甘く煮た料理、日本では<ぜんざい>が代表選手ですね。その大元は中国なので甘い豆のおやつはアジア各地にもあります。以前の記事で触れた
ベトナムの<チェー>もそのひとつ。
そして<あまがし>は子供の成長を祝う沖縄の伝統菓子。古くは緑豆と麦を黒糖で炊いたものでしたが、今は金時豆が主流です。飲食店ではかき氷がてんこ盛りになった<沖縄ぜんざい>が人気。これも小豆ではなく金時豆、ときにはキドニービーンズもあります。あまり見かけない<あまがし>も地元スーパーでは缶詰やレトルトパックがいろいろと並んでいます。写真③は沖縄第一ホテルの有名な朝食の中のひと品。これは白砂糖で炊いています。
<あまがしcuillere風>
北海道の金時豆が沖縄で定着しているのは不思議かもしれませんが、沖縄で消費の多いお昆布も北海道ですから!おもしろいものです。歴史のお勉強は興味なかったけれど、好きな切り口が見つかると食文化の変遷とその社会的背景など、知りたいことが増えてきます。これも旅から生まれる愉しみのひとつ。
cuillere風のあまがしは金時豆、緑豆、押し麦、黒糖でつくります。教室でも大人気、和食の水菓子としてお出ししても喜ばれます。今月ご紹介するのは金時豆と押し麦で作るレシピ。緑豆は体の熱をとるので、暑い夏や南の国では理にかなっているのですが、3月とはいえ体はまだまだ冷えているので、緑豆を止めて仕上げに生姜の絞り汁をたっぷり加えました。
盛りつけた器は自作の琉球硝子でございます!琉球硝子の体験制作も沖縄の旅の愉しみ。未体験の方は沖縄を訪ねた折りにぜひぜひ!!胸を張ってオススメします。
<あまがしcuillere風>
金時豆 100g
押し麦 50g
黒糖 80〜100g
塩 少々
生姜絞り汁 小さじ2
白玉団子 好みで
<作り方>
1.金時豆は洗ってたっぷりの水に一晩つける。鍋に豆、水をたっぷり加えて豆が柔らかくなるまで炊く。
2.別鍋に押し麦、400ccの水を加え、沸騰後10分加熱して5分蒸らす。
3.押し麦の鍋に金時豆を加え、金時豆の茹で汁をかぶるくらい加え、黒糖、塩、生姜絞り汁を加えて軽く煮て火を止める。