2011年07月13日更新
節電の夏、我が家でできること
福島第一原発の事故以来、日本のエネルギー事情は大きく転換することを余儀なくされました。これまで日本の電力量の2割強を担ってきた原子力発電に頼れなくなったことで、日本全体でエネルギーの使い方について、再検討する必要が生じています。 これまでもCO2削減のために、住宅エコポイントをはじめ、さまざまな施策が実行されてきました。それらはどこか理想論や他人事としてとらえられてきた節がありましたが、ここへきて私たち消費者レベルで省エネルギーの暮らしを試行錯誤していかなくてはならなくなったわけです。 今年の夏は「節電の夏」。上限の決まった電力供給量の中で、私たちは生活していかなくてはなりません。 などと大上段に振りかぶらなくても、私は暑いのが大の苦手。「いかに夏をしのぐか」は毎年のように重要な課題となっていました。 今年、成果を上げたのは、農業用の遮光シートです。ホームセンターで購入して、軒先から土間を覆うようにかけてみました。遮光率は50%だとか。南からの日射熱が土間に蓄積されるのをいい感じで防いでくれています。これがなかったら土間に立ちこめる熱気が家の中に入ってきてしまっていたでしょう。 昨夏の成功に味をしめて、緑のカーテンにも再挑戦。今年もアサガオとゴーヤを植えました。プランターに水をやるときには、土間にも撒いて打ち水に。 我が家は風通しもいいし、軒の出や遮光シートなどで窓からの日射熱をカットしているので、おそらく比較的エアコンを使用する頻度は低いはず。漆喰の壁は湿気を適度に調整してくれるし、無垢の床板は肌触りがさらっとしていて心地いい。冷房なしでも快適な環境になっています。 まあそうは言っても、仕事部屋はさすがにエアコンを入れないとどうしようもないですね。寝室やリビングにしても、あまり我慢をすると疲労がたまってしまうし、熱中症の危険もあるので、無理のない範囲で冷房入れています。 エアコンの設定温度は28度に。扇風機と組み合わせて冷風を室内に巡らせ、なるべく温度差が生じないように心がけてはいますが。 布団にはひんやりとしたジェルシート、外出時には水を含むクールスカーフを首に巻いて。節電の夏を乗り切るための工夫は、まだまだありそう。私の「自由研究」はまだまだ続きます。- 渡辺圭彦プロフィール
- 1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。