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住宅ライターの家づくり奮闘記

IKEAの机も組み立てて、とりあえず下の子の居場所も2階に用意しました。まだお絵描きは相変わらず1階のテーブルで描いていますが(笑)。

4月から兄妹で一緒に登校するようになりました。雨の日は土間のプランターもよりいっそう瑞々しく、緑が鮮やかになります。

2014年04月18日更新

雨の日なりのよさのある家

各地を取材していて、「日本は広いなあ」ということを実感するのが桜の季節です。わが家の桜もすでに花が散って葉桜となっていますが、4月中旬であれば東北の北部あたりはこれからでは。空港や駅に降り立って、周囲を見回すと、その土地ごとの季節と時間があるんだなあと体感することができます。

季節の移り変わりを楽しめるのが、日本という国のいいところでもあります。そういう意味では、住まいも春夏秋冬それぞれの過ごし方ができるようになっていると、日々を楽しむことができます。

春に花や新緑を愛でられるような植栽と窓はぜひ欲しいところ。夏に風が通り抜けるような換気・通気の計画、直射日光から守られるような部屋があれば、気持ちよくお昼寝や夕涼みすることができます。

秋にはお月見ができるようなデッキや土間、高窓などがあると嬉しいはず。そして冬にはきちんと断熱・気密されて寒さに脅えずにすむような温熱環境が整っていてほしい。

もっと言えば、晴れた日は晴れた日なりの、雨の日には雨の日なりの、その家のよさが感じられるような設計・施工であってほしいなあと思います。

よく、設計者や建主の方は、「今日は雨で残念です」とおっしゃいますが、私は「今日のような天候でしか撮れないベストショットがありますから、楽しみにしていてください」と答えるようにしています。

私が住宅取材に行くときは、晴天ばかりではありません。リビングに日差しが入るようなカットは晴れていないと撮れませんが、また、漆喰や木構造の質感がしっとりと浮き上がってくるような情感ある写真は雨や曇りのときのほうが撮りやすかったりします。「いい家」というものは、365日、いつでも「いい家」であり続けるものだと思っています。



住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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