2011年06月01日更新
「東京湾の津波」対策を見直し
浮き彫りされた東京の課題「緊急対策2011」
先月27日、東京都は「東京緊急対策2011」を発表しました。このレポートは、東日本大震災の被災地支援や電力不足対策、原発事故の対応などを現段階で総括するととともに、新たに浮き彫りになった首都「東京」の防災面での課題と今後の取り組みをまとめたものです。緊急を要するテーマには、「帰宅困難者支援」や「災害時における的確な情報提供のあり方」を検討する旨が盛り込まれると同時に、「建築物・施設の耐震化」をはじめとするハード対策のスピードアップが急務であるとしています。マイホーム選びをするうえで、耐震化の他にも、これだけはとくに留意していおきたいと思われる項目を以下3点ほどピックアップしてみました。
①津波・高潮対策
東京都では平成3年の時点で、関東大震災の状況などから地震による津波は最大でも1.2mと想定していました。しかしながら、震源地の遠い東日本大震災において、東京・晴海で1.5mの津波を観測したそうです。現在、沿岸部には5mの堤防が整備されていますが、被害を受けやすいと思われる個所の洗い出しと巨大地震や大規模台風に対する地震、津波、高潮対策の基本方針をあらためてまとめるとしています。
②液状化対策
現在、東京都建設局「土木技術支援・人材育成センター」が発表している「東京都の液状化予測図」は昭和62年から三段階の調査を経て完成されたものですが、今回の東日本大震災の影響を踏まえて、平成24年度に予測図の修正を行うことになりました。民間建築物への対策の必要性や事例を周知させる普及啓発にも取り組むとしています。
③建築物における長周期地震動などの対策
既存の超高層建築物や免震建築物について、国と連携しながら補強の必要性を判断し、その方法や家具転倒防止対策の指導や普及啓発を図ります。
<防災意識>は情報収集から
津波に関して言えば、そもそも半島に挟まれ内側が大きく広がる東京湾は、波の勢いを減衰させる地形であることから、津波による大きな被害が起こりにくいのではないかとする意見もあるようです。湾岸に面した地域の水準点を見れば、なかにはその標高が堤防の高さ(5m)より低いところもあります。マイホームを選ぶ上では、正しい防災知識を身につけると同時に上記3点に関する情報収集を心がけましょう。
【参考サイト】
東京緊急対策2011
東京都土木技術支援・人材育成センター
【参考記事】
■東京の液状化予測マップ
■好立地の免震マンション10棟
■東京の土地の標高を調べる
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