2011年08月03日更新
【フラット35】S金利引下げ幅拡大適用期間を前倒しで終了
リーマンショックから、まもなく3年が経とうとしています。新興の不動産会社を次々と経営破綻に追い込んだ経済の悪化は、その後どのような軌跡をみせたのでしょうか。100年に一度の大不況を乗り越えるべく、政府がまずとった施策は住宅支援でした。住宅ローン控除や贈与税の非課税枠の拡大、さらに住宅エコポイントと矢継ぎ早に購入促進を促したのですが、その効果は思惑通り、市場に買いどき感をもたらし成果を発揮することになります。2009年後半から2010年の住宅産業は活況を呈したといえます。
なかでも、需要を大いに刺激した支援策のひとつが「フラット35S」の利下げ幅拡大(当初10年間▲0.3%→▲1.0%)。これは省エネ性能など4つの基準のなかからひとつでも対応している住宅については、フラット35のローン金利が10年1.0%(通常は0.3%)優遇されるというもの。ちなみに、借入額3,000万円(35年返済、元利均等、ボーナス返済なし、適用金利2.41%の場合)の場合、
10年目までは月々 ▲15,268円
11年目以降 ▲4,200円
総返済額で ▲3,092,335円
借入れた人はトクをする計算になります。合計で300万円以上ですから、かなりのインパクトといってよいでしょう。したがってこの数年は、住宅ローン控除なども含めると相当な優遇が受けられたわけです。需要が増えるのも当然の成り行きだと捉えることができます。
「フラット35S」の利下げ幅拡大は、2010年の2月から12月まで期間限定でスタートし、その後1年間の延長が発表され、2011年12月がリミットとなっていました。ところが、昨日8月2日、申し込みが予想以上に推移したことから9月30日をもって打ち切る、つまり適用期間を3ヵ月前倒しすると発表されたのです。
住宅エコポイントも7月31日で着工期限の終了となったわけですが、その二日後の発表に今年中に家を買おうと考えていた人、また業界の関係者はやや戸惑いの面持ちでこのニュースを受け止めたのではないかと思います。どうも、住宅購入は景気刺激につながることから、こうした優遇策は目に見えた景気回復が無い限りは、延長の繰り返しをしてもらえるものだという思いが無意識のうちにあったのかもしれません。
【関連サイト】
【フラット35】Sのご案内
住宅エコポイントが発行される工事の対象期間の終了について
【参考記事】
■住宅版エコポイント
■住宅ローン金利のアレコレ
- 家の時間
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