2009年12月16日更新
“高級マンションのトレンド”から予測する未来の設備やサービス
新しい技術を開発するには投資がつきものです。したがって、まっさきにその恩恵に授かろうとするならば、ある程度の出費を覚悟しなければなりません。電化製品などがわかりやすい例ですね。
同様のことは住宅においても当てはまります。ですが、生涯最大の買い物といわれるマイホームは、基礎条件となる立地や面積を優先して選ぶケースがほとんどで、コストアップしてまで新しい設備やサービスを受けようという人はある程度限られてきます。よって、暮らしを変えるような斬新な住まいのアイデアは、往々にして高級ラインナップから導入される場合が多いのです。新たな発想に対するコスト負担が全体からすれば低い割合に抑えられるからでしょうし、買い手の予算にも余裕があるからなのかも知れません。例えば床暖房、システムキッチンあるいはセキュリティシステムなどがこれまでの代表例といえるでしょう。
では、今後普及すると思われる先進の設備やサービスはなんでしょうか。高級マンションの導入実績をもとに予測してみると、おそらくその筆頭にあがってくるものは、省エネに関連する設備であると考えられます。まずは、断熱性と遮熱性に優れたガラスの導入。これは開口部の拡大化もあいまって解消されるべき重要課題でもあります。また、いまどきの断熱性能と相性がよく、かつLDKに代表される空間の一体化にも効率的な空調設備の導入。これなどもまだまだ一部ですが開発が進んでいる模様です。節水効果の高いトイレもタンクレスの次に流行りそうな予感がします。
一方、省エネ分野以外においては、高齢社会を見据えた付加価値のあるサービスが注目を集めそうです。例えば周辺の医療施設との提携などはまだまだ数は少ないですが、利用者にとって大変好評だという声も出始めているようです。
「広尾ガーデンフォレスト
」(画像右の建物)では隣接する日本赤十字社医療センターとの提携サービスが話題を集めた。専用電話の開設、マンション内に相談カウンターを設置するなど待たされることのない”かかりつけ医”の発想は今後ますます注目されるかも知れません。
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)
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