2010年02月17日更新
“真のデザイナーズマンション”を探し出すヒント
”デザイナーズマンション”という響きに憧れを抱きながら住まい探しをする人が少なくありません。なんとなくの「イメージの良さ」や「見た目の奇抜さ」に魅かれるのでしょうか。昨今のリノベーション流行りにも、ある種近しいものがあるように見受けられます。
ところで、デザイナーズマンションの定義は何でしょうか。一風変わったカラーリングやコンクリート打ち放しの壁などがエントリーの条件かと思われそうですが、じつはこの呼称には明確な基準があるわけではありません。ただ、スタイリッシュなフォルムやモダンなイメージで仕上げられた「何かしらデザインにこだわったマンション」が、デザイナーズだと名乗り出ることが多いようです。
この未整備な領域の呼び名に対し、建築のデザインを常に追求し、独自の発想アイデアを持って設計を手掛ける建築家や設計士たちは、あえて一線を引いているように見えます。なぜなら、実際にデザイン面において高い評価を受けているマンションは、自らデザイナーズマンションである、とはいっていないからです。なので、一般の人からすれば、優れたデザインのマンションを探し出すことが少々わかりにくくなっているはずです。
では、どういう探し方をすれば、真のデザイナーズマンションに出会うことができるのでしょうか。
そもそも、分譲マンションの善し悪しは立地の特性をいかに引き出せているか、にかかっています。したがって、ハイレベルな設計技術が求められる「個性的な場所」にこそ、優れたデザインの建物が出来あがる可能性が高いわけです。
加えて街の景観に貢献できるような、その地域の良さをより際立たせるデザインには資産価値という特典が付いてくることも珍しくありません。それには、外観上の色、模様、形だけが優先することなく、住まいとしての品質と機能性を十分に兼ね備えたデザインであることが条件になるでしょう。
深い緑と蒼い海に挟まれた「パークハウス葉山翠邸」。マリーナの正面という独特なこの立地に、三菱地所が起用したのは最高裁判所を手掛けた岡田新一設計事務所。「石」が放つ独特の力強さと安心感が”山と海をつなぐ邸宅マンション”に巧みにいかされています。森の空気を呼び込むスペース「プライベートガーデン」は一見の価値あり。
-
<本当に暮らしやすいマンション選び バックナンバー>
- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)
マンションを選択する時代 高品質&低コストの家 マンション選びのコツ 家族が喜ぶ住まい
ヴィンテージマンションの条件 マンションのブランド選び 先進マンションの条件 自由な発想でデザインする
新築か中古か? ヴィンテージマンションの選び方 「優良マンション」の定義 注目の”超”大規模マンション
資産価値は立地と”地元力”