2011年03月09日更新
キッチン収納のアイデア
マンションを買った人が失敗、後悔したと感じる一番の原因は何だかわかりますか? それは「思ったより狭かった」というものです。家具の置き場に困る。置いたら置いたで人が通れない。そして、なかでも深刻なのが「収納」。これには頭を抱える人が相当に多いようです。そもそもモノにあふれた暮らしに慣れ過ぎたのでしょうか。断捨離ブームもこうした現代人のライフスタイルが背景にあるのかもしれません。
無駄なものが仕舞えないのは自分の責任として、生活する上で必要な機材やモノが収まらないようでは困りものです。その意味で、ここだけは事前にチェックしておいたほうがいいとアドバイスしたいのが、他でもない「キッチン」です。
「うちめし」という言葉が生まれるほど、自宅での食事を楽しむ昨今。おいしい料理のためとあっては、ある程度の道具や設備はそろえたいものです。便利な調理器具やキッチン家電、料理に合わせて盛りつけたい器(うつわ)など挙げれば結構な点数になるでしょう。しかしながら、現実には収まる場所がない。機器の類は(それでなくとも限られた面積しかない)作業台を陣取り、あふれた食器は別の棚を買って、ようやく収まる場所が確保できるといった具合ではないでしょうか。
予想外の食器棚はリビングダイニングの空間をいじめ、客間でもあるリビングからはごちゃっとしたキッチンが丸見えになってしまいます。キッチンの問題は、キッチンだけの問題では済まないところが厄介なのです。要注意といった意味がお分かりいただけるでしょうか。
キッチンメーカーとマンションデベロッパーは、顧客のニーズに合わせてオリジナル商品の開発に余念がありません。たしかにディスポーザーや自動食器洗い乾燥機など設備面の進化はその成果をみてとることができるでしょう。しかしながら、玄関や洗面のように、収納面における改善が進んだかというと、正直なところいまひとつその実感が湧きません。改良の余地はもうないのでしょうか。例えば、重くて嵩(かさ)の大きい米櫃やゴミ箱。どの家庭にも有るであろう炊飯器やオーブントースター。シリアルやお菓子の箱。なぜか何本もある焼酎の瓶。どれにも共通していえることは、できれば隠しておきたい「生活感のある」ものばかりです。これらが見えるか見えないかで室内の雰囲気がずいぶんと変わるのではないでしょうか。
大画面の薄型テレビ。モダンなソファ。すっきりとしたデザインの家具や家電で構成された雰囲気をこわさないために、収納量のあるキッチンを求めたいものです。
「アトラス志村三丁目」のモデルルーム。カウンターキッチンの下にはダイニング側に扉が開く収納スペースが。こういうキッチンが欲しかったと来場者から好評だそう。
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)
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