2012年05月02日更新
“子育てを徹底的に研究したマンション”でママ会を開催
子どもの成長を考えた住まいは、いつの時代もママからの高い関心と支持を集めます。「安全な家」で「のびのび育てたい」という思いは、親なら誰もが持ち合わせていることだからです。しかしながら、子育てに配慮したマンションと聞いて、とっさに思い浮かぶことといえば、「料理をしながらリビングが見える”カウンターキッチン”」や「雨の日でもお友達と遊べる”キッズルーム”」などでしょうか。どちらも普及し出したのは15年以上前のこと、今では珍しい企画ではありません。逆にいえば、それ以来、市場に根付いた「子育てのための商品企画」が生まれていないということでしょうか。
さて、「ヘーベルハウス」で知られる旭化成ホームズでは、暮らしを研究し、時代の変化に応じた住まいづくりを考える組織「くらしノベーション研究所」を社内に設置しています。「家の時間」でも「家事・子育てが楽しくなる暮らし方 『+NEST』」と題して、同研究所の設立当初の活動内容を紹介しました。
「NEST(ネスト)」とは”巣”を意味する言葉で、その名の通り、子育てに工夫した商品企画が特徴。例えば、「家族ロッカー」といって家族全員の個別ロッカーを玄関近くに用意したり、子どもが家事の手伝いをしやすいようなキッチンデザインを採用するなど機能と役割を徹底的に考慮して展開しています。
もう少し詳しく説明しましょう。「家族ロッカー」は、そもそも「子どもが学校から帰ってきて、リビングにランドセルを置きっ放しにしたまま遊んでしまう」ママの悩みが発端でした。そこで、子ども部屋に直行しないなら「玄関とリビングの動線の間」にランドセル置き場を設けてはどうか、と考えたわけです。さらに、残業続きで顔を合わせない父親とのコミュニケーションが図れる「ボード」を設けるなど、収納扉の表面にさえ機能を付加したところがユニークです。
こうした肌感覚の企画が生まれる背景には、同研究所の「実際の暮らしを見る」訪問調査にあるのではないか、と私は思っています。生活の場に直に居合わせることで、会議室では出ないアイデアが閃くのではないでしょうか。
この度、その「NEST(ネスト)」を本格的に採用した分譲マンションが誕生しました。物件名は「アトラス上大岡ヒルズ」。そのモデルルームに、「これからマイホームを考えたい」とするママさんたち8名がママ会を開催。そのときの様子が動画でまもなく公開される予定です。住まいを考えるプロが打ち出した企画に対し、子育て真っ最中のママたちがどんな反応をするのか。ご興味のある方は、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
さらにこの映像では、今どきのマンションにはある程度普及しているプランに対する反応も見どころ。例えばバルコニー。奥行きが2m近く、シロップシンクのあるのを見て「プールに便利!」と即答するママ。また、16×20の大型の浴室を見て「家族みんなで入れる!」。どれもパンフレットやチラシのキャッチコピーには見聞きしないものばかりです。主役である「住む人」の感覚をもっと知る必要があるのではないか、とそんな思いに駆られてしまいました。子育てに特化した新たな商品企画を望むと同時に、すでに普及が進むプランにも、もっと価値を見出して解説する必要があるのかもしれません。
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アトラス上大岡ヒルズ 公式サイト
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社有地だったことから、ハイクオリティなオリジナルキッチンや高級マンションの実績が数多い設計事務所を登用するなど、建物に相当な投資をしているのがわかります。
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)