2012年12月26日更新
マンションブランド名を比較検討する理由
「自社のマンションブランド名が市場で認知されているか?」また、それは「どんなイメージを持たれているのだろうか?」大手マンションデベロッパーは、ここ数年そんな問題意識が高まっています。そもそもマンションの名称は、住居表示に記載されることはありません。建物の入口に掲げるサイン(館名板)も、設置する位置やサイズにルールがあるわけでもなく、目に触れる機会はごく限られていると言ってもよいでしょう。ではなぜ、マンションブランドの浸透にメーカー各社は力を入れるのでしょうか。
理由は、マンションの資産価値に対する意識の高まりです。これは、おもに都心部に増えつつある傾向ですが、最近の購入検討者は数年後には住み替えることも頭に入れながら物件を選んでいます。だからおのずと、できるだけ売値が下がりにくいマンションはどれか、となるのです。将来不安に対する一種の生活防衛と捉えてもよいでしょう。本質的に不動産の資産性は、収益性や立地の希少性に宿るものですが、住宅ゆえの「住み心地」(例えば、それは設備の充実度や間取りの細かな工夫にあらわれ、外観デザインや管理サービスなども含む)が、売主(デベロッパー)によって微妙に異なり、それが評判となってリセールバリューに貢献するかもしれない。なら、できるだけ知名度と人気を備えたマンションブランドを買おう、となるわけです。企業に抱く印象とマンションブランド名に対する評判は必ずしもリンクしません。そこがまた、このテーマの多少複雑なところです。
東急不動産のリブランディング戦略について、そのプレゼンテーションの様子を動画(5分2秒)に収めましたので、どうぞご覧ください。大手デベロッパーがどういう取り組み方をしているか参考になれば幸いです。「ブランズ四番町」は、その新ブランドコンセプト第1弾。免震を採用した長期優良住宅認定マンションです。
ブランズ四番町 | ||
【物件概要】 | ||
所在地 | : | 東京都千代田区四番町8番4他 |
交通 | : | 東京メトロ有楽町線「市ヶ谷」駅徒歩3分 |
総戸数 | : | 165戸 |
専有面積 | : | 60.60㎡~107.29㎡ |
入居 | : | 平成24年3月下旬予定 |
敷地面積 | : | 4,108.52m2 |
構造/規模 | : | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上15階 |
売主 | : | 東急不動産・京阪電鉄不動産 |
施工 | : | 清水建設 |
長期優良住宅認定マンション「ブランズ四番町」モデルルーム
- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)