2014年02月08日更新
大規模マンションの管理組合<公式サイト添付>
最近、大規模マンションに住むオーナーの方々とお会いする機会が増えました。きっかけはSNS。もともとは管理組合の理事をされている方たちが、情報共有のため横の繋がりを持とうとしたのが発端です。ひょっとしたこと(つぶやき)がきっかけで、その会合に(といっても、勉強会ではなく緩やかな情報交換の場ですが)私もお声かけいただいたという次第。
「大規模マンションの長期修繕は数億円にも及ぶ一大事業。建築知識がなければ困難では」(大手デベの商品企画責任者)。数百、千戸を超えるメガマンションが登場した90年代後半に聞いた言葉はいまだに印象深く残っていますが、このように有機的な集まりをもってノウハウをナレッジしていく姿は誰も予想していなかったのではないでしょうか。
さて、開催の場はたいてい「どなたかのマンション」になります。順番が決まっているわけではないですが、それとなく「では次はうちで」と宣言される方が出る。人数は5から10名程度ですが、このように気軽に招待できるのも自宅が大規模マンションだからこその展開でしょう。余裕の共用施設があるから可能なのです。
オーナーが招いたゲストを施設紹介する様子は、まるで自己紹介のようだと感じます。キッチンスタジオで食した後、屋上デッキで夜景を一望する。その後ビューラウンジの照明を落として東京タワーのライトアップを楽しんだり。目の前にある光景は、彼らにとっては日常の一部。手続きにも慣れた姿を見ていると、ライフスタイルの一端になっているんだなと思います。
昨今マンションの資産価値が重視される傾向にあります。大規模マンションならではの付加価値をもっとアピールすればそれに貢献できるのではないかと常々考えています。これは実際に私がマンション情報誌の編集者だったときの体験に基づくもので、施設の活用を含む良好な管理の提示は需要を生み出すと思っています。
下記に、既存マンションの公式サイト例を掲載します。ここには、住人のイベントや管理組合の記録などがコンテンツの中に綴られています。ワールドシティタワーズ自治会に入会すれば隣接企業の社員食堂が使えますとか、仲介大手のリンクがしっかり張られていたりするなど、至る所で運営の上手さを実感するでしょう。区分所有建物において管理運営は必然。規模のメリットは思わぬところでも発揮されているのです。
【既存の大規模マンション公式サイト】
パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー
ワールドシティタワーズ
ブリリアマーレ有明
イニシア千住曙町
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)