2014年09月30日更新
「グローバルフロントタワー」の防災対策
この秋注目物件のひとつ「グローバルフロントタワー」を防災の観点でまとめてみましょう。
「グローバルフロントタワー」は「港区」「JR山手線」「大規模」という人気スペックを持ち合わせたプロジェクトですが、この手の物件はえてして提供される情報が多い(主には「立地」や「将来性」などがクローズアップされる)ことから、建物の特徴を知ることが後回しになりがちです。
しかし、当サイト記事「超高層メガマンション管理組合の試行錯誤2―足りないものは自分で作る」や「タワーマンションの防災対策」にもあるように、超高層マンションの防災対策は暮らしに直面する重要テーマであることは明らかです。また、既存マンションと新規分譲マンションとの違いは、時代の課題解決策がビルトインされているか、最新の建築技術が導入されているかなどがその差異といえます。したがって、一から作る建物ゆえの利点を知ることはその価値を明確化することにもつながるわけです。
それでは、以下「防災」の視点から建物の特徴を3点抽出します。
1点目は「免震の採用」です。
構造概念には「耐震」「免震」「制振」の三種類が存在しますが、地震の横揺れそのものを低減して建物に伝える最も高度な手法が「免震」です。とくに上層部がしなるように揺れるタワー状の建物では、建物へのダメージを抑えるだけでなく家具転倒などの被害を抑制する効果も期待できることから、東日本大震災以後「免震」が導入されるプロジェクトが増えました。「グローバルフロントタワー」もそのひとつとなります。施工がスーパーゼネコンの一社、清水建設である点も安心感につながるでしょう。ちなみに杭の長さ(N値60の支持層まで)は約23メートルです。
2点目は「設備」です。
非常用電源は72時間稼働を設定しています。東日本大震災以降、タワープロジェクトの中では最長のランクに入るといえるでしょう。パンフレットには<非常用電源の運用スケジュールを策定する>と記載されています。これは実際に直面したトラブルからヒントを得た現実的な運用ルールに基づくもので、実績のある売主(及び管理会社)ならではの信頼性だと受け止めて良いと思います。さらに、排水ポンプだけに頼らない「重力排水」方式を選択しています。
3点目は「施設の配置場所」です。
「グローバルフロントタワー」は1階床レベルが標高2.8メートルの高さ。電気室は地下階ではなく3階に、防災センターを2階に配置しています。また各階には非常用EV(西側)隣接スペースに防災倉庫を完備しています。
所在地 | : | 東京都港区芝浦1-33-3,34-5,6(地番) |
交通 | : | ①JR山手線・京浜東北線「田町」駅徒歩10分 |
: | ②JR山手線・京浜東北線「浜松町」駅徒歩11分 | |
: | ③東京モノレール「モノレール浜松町」駅徒歩11分 | |
: | ④都営浅草線・三田線「三田」駅徒歩10分 | |
: | ⑤新交通ゆりかもめ「日の出」駅徒歩8分 | |
総戸数 | : | 883戸(他に店舗、子育て支援施設) |
専有面積 | : | 46.86m2~91.08m2 |
予定販売価格 | : | 4200万円台~1億1600万円台 |
入居 | : | 2016年3月下旬予定 |
構造/規模 | : | RC34階建(免震) |
売主 | : | 三井不動産レジデンシャル他 |
施工 | : | 清水建設 |
→詳細情報
「GLOBAL FRONT TOWER(グローバルフロントタワー)」レジデンシャルサロン内の模型
- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)