2010年01月27日更新
20年来旧知の恩人と再会
今年初のこのコラム。どうぞよろしくお願い致します。
先日、20代の頃からお世話になっている方に数年ぶりにお会いした。
その方とは、オフィス家具の会社アールエフヤマカワ
の山川富喜子さん。
同社の代表でありデザイナーの一人でもある。
同社の現在の業務内容はHPに譲るが、山川さんとは私が住宅雑誌の
編集者時代に知り合い、それから公私共に、まるで姉妹のように
親しくお付き合いいただいた仲である。
私が雑誌社を辞め、山川さんの会社も上海に工場を移すなど
大変な時期にさしかかっていたこの数年はお会いする機会がなく、
今年の年賀状をきっかけに久々の再開となった。
毎週地元三重県と銀座の東京事務所を行き来し、イタリア事務所や
上海事務所に年数回赴き、「来週はフランクフルトの家具見本市なの」と
話す山川さんは変わらずパワフルで、本職以外にも数々の仕事や
ボランティアをこなす活躍ぶり。
そんな山川さんとの会話は互いの近況、すぐ先の未来、
そして過去の思い出話と、時を進んだり突然遡ったり、
他の人には理解し難い時系列の超越ぷりであろうが、
それも昔と変わらず何とも楽しい。
私が20代の頃と言ったら……約20年前から山川さんは
私をご存じということになる。仕事で知り合った方と20年の長きに亘り
お付き合いが続き、変わらず公私境なく情報交換をさせてもらっているとは
何とも有難く、感慨深いものである。
思えば山川さんと親しくなったのはバブルの頃。
山川さんは自社でYosというブランドを立ち上げて
華々しく家具ショップを展開、世界最大級の家具見本市、
ミラノ･サローネ取材のために、私がいた編集部をサポートしてくださるなど、
ここで書き尽くすことなどできないぐらいお世話になった。
あれから20年。日本の家具業界も、そして世界も、他業界同様、
大きく様変わりした。右肩上がりしか知らなかったその時代、
今のような低迷期が長く続くなど、誰が予想したことだろう。
兎に角、時代を経て消えてしまったメーカーも多い中、
アールエフヤマカワと富喜子代表は時代を読み、時代に即して
歩んでこられ、今日健在であることが嬉しい。
同社は家具をたくさん扱っているけれど、今日は私が欲しい！
家ですぐ使えそう……と思った小物を紹介したい。
しかし、ヤマカワさんや、他の業績のよい会社経営者とお話する度
感じることだが、不況の今こそ次の新しい展開を考え、時代の空気を読んで
積極的に仕事をすることが大事なのだなぁと、今回も思わせられた。
（左）レオナルド・ロッサーノデザインの靴べら
（右上）山川富喜子さんデザインのスリッパラック
（右下）エコ・レザーを使ったイタリア製スリッパ
山川富喜子さん
一緒に出掛けると「似てますね」とよく姉妹に間違われる
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 
1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる！』『北欧流 愉しい倹約生活』（PHP研究所）『やっぱり住むならエコ住宅』（主婦と生活社）『住まい方のプロが教えるリフォーム１２３のヒント』（日本実業出版社）『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』（講談社＋α文庫）他。
