2011年01月26日更新
セルフビルドでリフォーム
2011年になったと思ったら、もう1月も後半。。。
年々、お正月気分に浸る時間が短くなっていると思うのは、
私だけではないようです。
しかしこの寒さ、いつまで続くのでしょうね。。。
大雪の被害に遭われた方には、深くお見舞い申し上げます。
とまれ、今年もよろしくお願いします!
さてさて、今年初の話題は。。
一部をセルフビルドで仕上げるリフォームについて書きましょう。
というのも、10数年来の知己の建築家、
神戸の設計事務所 アトリエ・フィッシュの山下誠一郎さんと真未さん夫妻
http://www.atelierfish.jp/
より、「自宅の改装第二弾が済みました~」とのお便りを受けたから。
私は神戸まで取材に何度か伺っており、バスルーム&トイレが
未改装だったことを覚えていました。
その未改装部分もリフォームしたというのです。
そもそも1998年に購入してリフォームしたのは、
1969年に建った集合住宅で、約70㎡ほどの広さの空間。
リフォームのコストを削減し、自分達の感性に合ったデザインに
仕上げるため、一部セルフビルドを敢行します。
部屋の不要な間仕切りや収納が取り払われた後、クロスを剥がし、
コンクリート壁の接着剤をこすり落とす作業を自分達でやるなんて、
私などは聞いただけで気が遠くなります。
さらに、綺麗になった壁にタイルを貼り、ペンキを塗り。。。
建築家だからできるのだとも思いますが、
昨今は一般の方々にも、工事に部分的に住み手自らが参加できる
ということが、浸透してきているようです。
今回、第二弾の改装が終ったバスルームは、見違えるほど
スタイリッシュに生まれ変わりました。
広さが7.5㎡ですから、約2坪ちょっと、その空間に
バスタブ、シャワースペース、トイレ、洗濯機置き場を
納めたわけで、このレイアウトも建築家の技といえます。
セルフビルドで仕上げた家の取材は例外なく面白いです。
きっと、設計、施工者のデザインや意図だけでなく、
住まい手さんの趣味や感性が表れるからでしょうね。
そして、不器用な自分にはできないから、セルフビルドしようという
住まい手さんのセンスや器量、勇気にも感服するのかもしれません。
山下さん夫妻は設計の際、住まい手さんから
「一部セルフビルドしたい」と要望されることも多いそうですが、
「本音を言うと、セルフビルドの指導は時間がかかるので、
あまり多くは受けられないんです」と苦笑。
確かにそうですよねぇ。
住まい手さんは、コスト削減のためにセルフビルドしたいわけだから、
指導料を沢山いただくわけにもいかないでしょうし。。。
と、現実的な話になってしまいましたが、それはともかく。
第一弾から12年経っての改装第二弾が無事済み、
山下家ではバスタイムが格段に快適になったということです。
改装第一弾で手掛けたキッチンとダイニング。キッチンはフルオーダーで、壁のタイル、床の石は自分達で貼った。
(左上)やはり前回の改装でリフォームした玄関ホール。(右下) 今回の第二弾の改装でガラリと変わった洗面室とバスルーム。右手の扉の中に洗濯機を収納。
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)他。