2010年02月24日更新
安曇野から一時間以内で海外スキー場気分?
きりっとした晴天の広がる安曇野からこんにちは。まだまだ寒さの残る頃ですがいかがお過ごしですか?春の訪れが待ち遠しい気もしますが、冬ならではの楽しみも忘れてはなりません。
運動があまり得意ではない私が40年余り夢中になってきたスポーツ、スキー。大自然の中で風の音、日の光を全身で感じながら無心で滑り降りていく快感は他では味わえないものです。
スキー場ど真ん中から安曇野に移住してもまだまだその熱は冷めることなく雪が降ればじっとできずに北に向かいます。古巣の白馬乗鞍、コルチナでも1時間ちょっと、八方辺りだと40分ほどで到着です。
最近この白馬山麓エリアがちょっと変化してきています。以前は関西系のお客様が多く、ふるさとの訛り懐かし・・・でしたが最近は多国籍化してきて英語はもとより、中国語、韓国語・・??語・・・
お昼時レストハウスでおなかいっぱい頂いてぼんやりと雪景色を眺めているとまるでカナダのスキー場にでもいるような錯覚に陥ります。
はるばるとここに集まる彼らをひきつけるものが知りたくて娘の幼馴染が経営しているゲレンデ近くのホテルを訪ねてみました。客室数20のほぼ90%が外国人客で埋まっているそうで、その泊数は短くて7日、長い人はほぼひと月、2~5人くらいのグループや家族連れ、国籍はやはりオーストラリアが多く、ロシア、中国(香港)など、年齢層は格安な価格設定からか20歳代が多いそうです。
原則としてB&Bスタイルの滞在で、夕食は周辺飲食店やナイトバスやタクシー分乗、そしてどこまでも歩く持ち前のガッツで回遊。ラウンジや近くのバーは夜ともなれば彼らで大賑わいとか。
長い滞在中は松本や長野、白川郷等で史跡訪問、人気のスノーモンキー見学、そばうち体験、ちょっと買い物に首都圏までと活動的です。ただスキーやスノーボードをして帰るというだけでなくその周辺の日本文化に触れる人も増え、最近は宿の改装も外国人向けに日本らしさを求めるところが増えてきたと聞きました。
ニセコに始まった日本へのスキー客誘致は多様化して白馬へ、野沢へと広がっていますが、そこには現地で暮らす外国人の存在が大きいと思われます。白馬はもともと外に開かれた地域であり海外体験のある住民比率も高く、前述のホテルオーナー姉弟のように自在に外国語を使える人材も豊富である為、受け入れも容易で、実際多くの外国人が暮らし働いています。
得意の分野を生かしアウトドア専門の会社を立ち上げたり、不動産事業を始めたり、旅行会社を始めたり、ペンションの経営を始める人もいます。一番外国人比率の高い和田野地区は地域の集会は2カ国語で行われ区長は英国人ということでした。
今までの誘致のようにただいらっしゃい~だけでなく、訪れる人の気持ちに寄り添っていろいろなサービスを提案できる彼らのイノベーションの力で日本人利用が減少する一方のスキー場に活気をもたらしてくれています。
最高の雪質とあらゆるクラスを受け入れる自然の大きさと荘厳なまでの厳しさ、そこに根付いた郷土の暮らしの持つ特異性を生かし、利用するだけではなく守って損なうことなくいつまでも残しておいて欲しいものです。
以前ウィスラービレッジで言われた言葉「ここには3つの幸せを持った人々が集まっている、健康に恵まれ、時間に恵まれ、経済的余裕に恵まれた人たちだ」を思い起こしながら周囲を眺めると必ず笑顔が返ってきます。外国の街角ですれ違う時にふと交わされるあの気持ちの良い眼差しの挨拶、日々の暮らしの中で抜け落ちていたものがここにあります。
日本ではトップクラスの山岳美と整った設備、長期滞在しなくても思い立ったら毎日でも行けるパスポート不要の海外スキー気分!すぐそこにこんな環境があります。これが安曇野暮らしの冬の醍醐味ですね。
今日も一滑りしてきますか~。
- 宮嶋洋子プロフィール
- 関西出身、産業福祉を専攻後、保険会社勤務。結婚を機に信州白馬山麓に移住。夫とロッヂを経営。夫が鉄工房Eisenを立ち上げると共に安曇野に移転。自らは羊に関わる紡ぎ、織り、編みのクラフトを楽しむ。
鉄工房Eisen:http://www5.plala.or.jp/Eisen/