2010年03月24日更新
ふるさとは近くにありて暮らすもの
早春の安曇野からこんにちは。この季節思わず口ずさむのが早春賦の歌。
♪春は名のみの風の寒さや 谷のうぐいす歌は思えど 時にあらずと声もたてず~♪
作詞者の吉丸一昌が大正時代に安曇野を歩きながら、素朴で透明な風景に感動し春を待ちわびる思いを詩にしたと言われ、それを記念して穂高川沿いに歌碑が建てられています。
最近早春賦の舞台が安曇野かどうかについての論議もありましたが、早春のこの時期ここに立って残雪の北アルプスを望めば日本のふるさとの原風景のひとつとして心に響くものがあります。
そんなふるさとポイントが数多くあるのが安曇野です。街道筋に点在する道祖神、屋敷林を構える旧家、豪農を訪ね、平野を潤すため大変な努力で作られた水路(堰)を辿る事ができます。
陽気がいいのに誘われて前から気になっていた道祖神めぐりに出かけてきました。先ずは穂高神社で道祖神マップを入手して・・・その説明によると
道祖神とは古くから村の辻に五穀豊穣、子孫繁栄、縁結び、通行の安全、災難除けを願って建てられたもので、安曇野の特徴は男女二神が仲良く並んでいるところ。手を握り合うもの、酒器を持つもの、彩色されたものなどマップに載っているだけで127もあります。
マップには縁結びコースや子孫繁栄コースなどご利益のありそうなルートが案内されていますが、安曇野は平らだけれど結構広いので、歩いてとなるとちょっと大変だし車だと見過ごしてしまいそう。
そんな旅の足は自転車が一番。穂高駅前の貸し自転車屋さんで、お手軽自転車やマウンテンバイクから電動自転車等自分にぴったりな、とっておきの一台と情報をしっかり入手してペダルを漕げば安曇野がぐんと近づいてきます。
このひつじ屋さん単なる貸し自転車屋にとどまらず、安曇野引越し相談所やカフェや企画展またインド支店など安曇野の磁場として多くの人をひきつけるパワースポットでもあり、面白い出会いがあるのが魅力です。(我が家の設計士ともここで出会いました)。いろんな人がいろんな世界から立ち寄って何かを共有し、また夫々の道に旅立っていく、現代の道祖神のような存在です。
梅、桃、桜と咲き出して急ぎ足の春の安曇野。森の中で冬眠していたギャラリーやカフェも目が覚める頃。風を感じ、光を受けて走る爽快感は早春のこの時期が一番でしょう。あー出かけたくなってきましたね。
- 宮嶋洋子プロフィール
- 関西出身、産業福祉を専攻後、保険会社勤務。結婚を機に信州白馬山麓に移住。夫とロッヂを経営。夫が鉄工房Eisenを立ち上げると共に安曇野に移転。自らは羊に関わる紡ぎ、織り、編みのクラフトを楽しむ。
鉄工房Eisen:http://www5.plala.or.jp/Eisen/