2015年01月28日更新
阿蘇地域の恵み その1
阿蘇山は熊本県阿蘇地方に位置し、活火山として今も時々噴火をしています。広大なカルデラ地形で外輪山を含めた全域も阿蘇として総称されています。地質学的にみた日本の貴重な自然資源を選定する百選の日本地質百選であるとともに世界ジオパークにも認定されています。 気候は平地では九州の温暖な気候ですが、標高が1000m前後の高地では夏季冷涼・冬季厳寒です。こうした気候の違う地理的条件は中岳(噴火口付近)より半径50Km程度のところに存在しています。降水量は年間降水量で3000mmを超え、大変多く、特に6月から7月にかけての梅雨の時期は土砂降りの大雨が続き、その豊富な雨水は大地を潤し、県の地下水資源ともなっています。そしてこれらを源とした川が四方の海へと流れていく途中にて、よい土壌を作ってきました。 阿蘇を源流とする川は主に大分県を流れ別府湾への大野川(北東部)、熊本県南阿蘇村を水源に熊本市から有明への白川(中心部)、宮崎県の高千穂から延岡より太平洋への五ヶ瀬川、(南東部)大分県の九重玖珠川を源の一つとし、大分県日田市や福岡県久留米市を経て有明への筑後川(北西部)最後に阿蘇から益城地域、熊本市、宇土市を流れ有明海への緑川(南西部)が主な川で、その良質な水源の恵みは熊本県を中心にして東西南北と福岡県、大分県や宮崎県へも及んでいます。 中でも宮崎県高千穂峡の「真名井の滝」は神話によれば天村雲命(あめのむらくものみこと)という神が天孫降臨の際に、この地に水がなかったので水種を移した。これが天真名井として湧水し、滝となって流れ落ちているといわれています。 また、熊本県小国町の「鍋が滝」は裏見の滝としても有名です。そして、冬は氷瀑となる阿蘇市にあります「古閑の滝」など沢山の滝があります。このように水と火山性の土壌により、ミネラル豊富の土壌となり、それを生かして美味しい食物を栽培して参りました。人と自然が共存しながら、「生きている遺産」として認定し、日本では5か所が指定されています「世界農業遺産」の一つとして数えられています。このように、自然の恵みを生かし、人々の工夫により、農業や畜産そして林業が発達してきました。 さらに、良質の水と火山により、多くの温泉があり、食は内部から、温泉が外部から(飲泉は内部から)、五感美を与えてくれます。また、火山と共存することから「火の国」(「肥の国」)として太古から総称されてきました。そのことから阿蘇の山焼きを代表として、「火」にまつわる神事や祭事なども多くあります。 近年では、JR九州の列車「ななつ星」豊肥本線を走り、阿蘇の周辺を堪能できる旅などにより、ゆっくり時間で自然豊かな阿蘇地方を訪れ体感・体験をして、五感美を育む阿蘇の魅力に楽しまれる方も多くなりました。これからも、阿蘇の魅力は益々発展し続けることでしょう。 そんな阿蘇の恵みをより多くの方々に感じて頂けるよう、このたび通販サイト「豊菜JIKAN」を開設しました。阿蘇の魅力や野菜作りの裏話などをこの場でお伝えできればと思っています。どうぞお付き合いください。- 小森谷 正プロフィール
- 食品取扱いを営む実家に生まれ、小さい頃から食に興味を持って育つ。大学時代はファッション研究サークルで主将を務め、卒業後は大手不動産グループで住宅企画に携わった。これまでの経験から衣食住の相談サービスを手掛けるライフスタイルコンサルティング会社株式会社 ジカン(又はJIKAN)を立ち上げた。まずは「食」に関する通販サイト「豊菜JIKAN」をスタート。