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せとかとせとかの花

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2015年12月30日更新

瀬戸内の恵み みかんとレモンなどの柑橘

今年も師走という言葉がぴったりあう日ごろになり、クリスマス、そして年越し、正月と日本ではこの時期の予定がビッシリの方も多いでしょうか。体調管理にもお気をつけ下さい。

瀬戸内海地方は、以前にも話をしましたように、日本の中でも少雨の地域で、気候も温暖であることから、みかんやレモンをはじめ、柑橘類の栽培が盛んに行われています。柑橘は今から3000万年もの昔にはすでにインド東北部に登場しており、約4200年前には中国で栽培が行われたという記録もあるそうです。

現在、私たちが食べている柑橘類には「ポンカン」や「清見」から生まれたものがたくさんあります。ポンカンはもともとインド原産で、明治時代に日本に導入されました。一方の清見は「宮川早生(温州ミカン)」と「トロビタオレンジ」の交雑で1949年(昭和24年)から育成された品種です。そして1972年(昭和47年)に「清見」と「ポンカン(中野3号)」から「デコポン(不知火)」が誕生。1999年(平成11年)には「清見」×「ポンカン(F2432)」で「はるみ」が生まれています。さらに清見の孫として2001年(平成13年)に「せとか」も品種登録されています。ちなみに「いよかん」は明治時代に山口県で発見されたものです。

また一般的なみかん類とは違って酸味が強く、生食にむかない柑橘類を「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」といいます。代表的なものが「レモン」や「ゆず」、「ライム」などです。これらは香りがよいため、果汁をしぼって調味料に加えたり、ジュースなどに利用します。保存方法は直射日光や暖房を避け、風通しのよい冷暗所で保存します。新聞紙などで軽く包んでおいてもよいでしょう。日持ちは品種や状態にもよりますが、5~10日くらいが目安です。酸味が強い場合は、数日おいて置くと酸味が少しやわらぎます。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥を防ぐためポリ袋などに入れてから野菜室へ。新聞紙などで包んでからポリ袋に入れると、より乾燥を防ぐことができます。冷蔵保存する際には、乾燥と冷やしすぎに注意してください。

箱で買った場合はふたを開けておきましょう。傷んでいるものがあれば取り出しておきます。そのままにしておくと周囲の果実も傷んでしまうので注意してください。少し面倒ですが、一度すべて取り出して、下から新聞紙→果実→新聞紙→果実→新聞紙のように重ねて(2~3段)おくと日持ちがよくなります。期待される効能は高血圧予防、風邪予防、美容効果、がん予防、老化予防などで、柑橘類のおもな栄養素としては、カリウムやビタミンCなどが挙げられます。カリウムはナトリウムの排泄を促進し、高血圧予防やむくみ解消に期待できるでしょう。ビタミンCは風邪や感染症予防のほか、がん予防や老化防止、抗ストレス作用もあるといわれています。
そして、ビタミンCの効能はコラーゲンやビタミンEの合成や再生に寄与していますので、風邪予防やお肌によい物質の働きを助ける内助の功的な役割を果たしています。
また、いくつかの柑橘類には「βクリプトキサンチン」が多く含まれています。βクリプトキサンチンは、発がん抑制作用に期待されているカロテノイドの1つ。温州みかんほどではありませんが、タンゼロとタンゴール、ポンカンに多く含まれています。

少し気になることも話しますと、輸入レモンには防カビなどの効果がある「ポストハーベスト農薬」がかけられているため、発ガン性を心配する声もあります。しかし、輸入時には基準値等の検査が行われているので特に問題はないでしょう。それでも心配な方は、ノーワックスと明記された輸入レモンや国内産レモンがおすすめです。

では、いくつかの品種による特色をお話しします。

「温州みかん」
温州みかんには「有田みかん」や「愛媛みかん」などいろいろありますが、これらはどれも「温州みかん」のことを指します。じつは、温州みかんには「宮川早生」や「南柑20号」などたくさんの品種があるのですが、店頭では品種名ではなく地域の名前をブランド名として販売することが多いのです。
ほかにも愛媛県の「味ピカ」や、長崎県の「味っ子」「出島の華」など、特に糖度の高いみかんにブランド名を付けて出荷しているものもあります。食べ比べて好みの味を見つけてください。

「いよかん(伊予柑)」
正確な起源は不明ですが、ミカン類とオレンジ類の交雑種といわれており、明治時代に山口県萩市で発見されました。その後、愛媛県で本格的に栽培がスタートし、地名の「伊予」という名前が付けられました。現在は愛媛を中心に山口や和歌山などで栽培されています。果皮はやや厚めですがむきやすく、果肉もジューシーで甘酸のバランスも良好。旬は1月~3月頃となっています。なお現在生産されているいよかんの9割以上が「宮内いよかん」という品種で、このいよかんを3月までじっくり熟成させた高品質のものは「弥生紅(やよいべに)」として売られています。

「せとか」
「清見×アンコール」と「マーコット」を交配して2001年(平成13年)に登録された品種です。果重は200~270gくらいで、2月頃に収穫されます。果肉はやわらかく多汁で濃厚な甘味があり、温州みかんのように袋ごと食べられるため人気が高まっています。同じ親を持つ姉妹品種に「麗紅」があります。2~3月頃が旬です。

「文旦(ブンタン)」
「ザボン」や「ボンタン」とも呼ばれる大きめの柑橘で、インド東部から中国南部にかけた地域が原産で、香りが良く甘酸のバランスのとれた上品な味わいです。果重は400g前後で黄色い果皮は厚く、果肉は基本的に淡黄色ですが、中には赤肉のものもあります。国産ではしっかりとした歯ごたえと爽やかな食感の「土佐ブンタン」が有名ですが、果肉がやわらかくて多汁な「水晶ブンタン」も人気。どちらも高知の特産です。収穫時期は10~12月ですが、酸味を減らすため一定期間貯蔵されるので、店頭に並ぶのは2~5月頃になります。また、皮の白い部分を使って作られる「ザボン漬け(砂糖煮)」も美味。ちなみに「ポメロ」は文旦の英名で、果実が巨大で果肉が濃いピンク色の「チャンドラポメロ」というものもあります。

「ゆず」
100~120gくらいの大きさで、芳香と適度な酸味を持っている香酸柑橘です。果汁を調味料に加えたり、果皮を細かく切って七味唐辛子に入れるなど、食味のアクセントとしてよく利用されます。また国内では冬至の日に「ゆず湯」に入るという風習もあります。なお、一般的な「黄柚子」は秋から出回りますが、初夏には「青柚子」も流通します。基本的に通年出回っていますが、12月が最盛期です。
「すだち(酢橘)」
「ゆず」の近縁となる香酸柑橘で、果実は30~40gと小さめ。徳島県の特産として有名です。適度な酸味と香りがあり、果汁は焼き魚やマツタケ料理などに利用されます。別名「すたちばな」ともいい、これがなまって「すだち」となったといわれます。収穫時期は果皮がまだ緑色の8~10月頃で、12月頃までが旬。なお、さらに熟すと果皮が黄色くなりますが、緑色の方が風味豊かです。

最後に「豊菜JIKAN」では、瀬戸内の恵みの果物を取り扱っております。日本でも地中海性気候に近い少雨温暖な気候を活かした旬の野菜や果物を是非ご賞味ください。



株式会社ジカン 代表 小森谷 正

小森谷 正プロフィール
食品取扱いを営む実家に生まれ、小さい頃から食に興味を持って育つ。大学時代はファッション研究サークルで主将を務め、卒業後は大手不動産グループで住宅企画に携わった。これまでの経験から衣食住の相談サービスを手掛けるライフスタイルコンサルティング会社株式会社 ジカン(又はJIKAN)を立ち上げた。まずは「食」に関する通販サイト「豊菜JIKAN」をスタート。

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