2010年05月19日更新
ログハウスは腐る!?
3回目の掲載。にもかかわらず今回はショッキングなタイトル。
「素楽」soraではお客様からよく聞かれるご質問の1つに、「ログハウスのお手入れって大変ですか?」というものがある。
立地により頻度や方法は多少違うと思うが、お手入れをちゃんとやらないと「ログハウスは腐る」。別の言い方をすれば、相応のお手入れさえしていれば「超スーパーロングランライフ住宅」(こんな言い方あるのでしょうか?)のログハウス。
ログの本場カナダには築100年を有に越える現役のカナディアンログハウスがあったり、日本最古のログハウスと呼ばれるのは「校倉造り」で有名な「東大寺正倉院宝庫」。それと比べれば、今年でたったの8年目のうちのログハウスは、まだまだ年季が足りない。
ログハウスのメンテナンスで最も重要なのが塗装。より質のよい塗装をするために丸太のクリーニングなどの下準備も必須になる。塗装などの専門的知識は塗装屋さんにお任せして、実際にうちではどうしているのかを簡単にご紹介しましょう。
「素楽」sora開業以来、塗装は主に夫の仕事である。
1階ログ壁の最も高い場所で地上から約6メートル、2階のログではない板張りの壁になると地上からなんと約8メートルの高さがある。これらの外壁を足場を組むことなく2連梯子や脚立に上がり、小さな刷毛を使い、梯子や脚立をその都度移動させながら一人気長に何日もかけて塗装を行なっている。
今春8年目に入るログ壁は今回で2度目の塗装中。色も建てた当初と比べるとだいぶ落ち着いた色になってきた。ウッドデッキはほぼ毎年塗装を行なっている。ちなみにウッドデッキの塗装は私もやりますよ。
うちのログハウスは東西南北の面で傷み度合いが全く違うのですが、みなさんはどの面が一番傷むと思われますか?
正解は「南」と「東」。
たぶん「北」とお答えになる方が多いのではないでしょうか?
当初は私も日の当たらない湿気の多い北側が一番傷むのではないかと思っていたのですが、日当たりのいいうちの場合ログの大敵は湿気というより紫外線。同じ南面でも軒があって日が当たらない上段のログと日差しを常に浴び続けている下段から中段の日焼けしたログの傷みの差はかなり激しい。
立地的には西に那須連山が広がり、冬から春にかけてこの山脈から吹き下ろす北西からの季節風(この辺りでは「那須おろし」と言う)が吹く。周辺には遮蔽物がないため、建物東側にうず潮のように風の吹き溜まりができる。そのため東面に埃などの汚れが付着しやすい。傷みや汚れの目立つログ壁は基本3回塗り、その他のログ壁は2回塗りを行っている。
また、うちは北側が軒の大きく張り出た玄関になっている。
建てる前には将来のログの損傷度合いなんて考えもしなかったが、結果的にログハウスの宿としては、ログの傷みの少ない北側をお客様が出入りされる玄関に、最も傷んでいるのであまり見られたくない南側を普段私達が使う勝手口にしておいてよかったとつくづく思っている。
紫外線によるダメージは人間へも丸太へも同じなのですね。
自分の肌でさえも、ついうっかり手を抜いてしまいがちな大事な紫外線対策。
「まあこんなになっちゃって、ほったらかしてごめんね。」と塗装の時期がやってくるたびに、また、鏡を覗き込みながら反省するのである。
- 堀田はるみプロフィール
- 東京都出身。日本ハウズィング(株)に10年勤務後、大和ライフネクスト(株)(旧(株)コスモスライフ)に5年勤務。在職中に宅地建物取引主任者、管理業務主任者資格取得。2003年宿の開業とともに栃木県那須町に移住。現在は那須の大自然を楽しみながら夫と犬と暮らす。
ハンドカットログハウスの宿「素楽」sora:http://www.ayado.com/