2012年11月10日更新
コンテチーズの里ポリニー・アルポワのタルティーヌ
タイトルをリニュアルしました。これからは旅で出会った愉しいコト、美味しいモノを紹介していきます。暮らしのエッセイで私の旅にご一緒してくださいね。
喰いしん坊の私は食に対する好奇心が旺盛。気になる料理、気になる食材に出会うと、何処でどんなふうにそれが作られているのか、知りたくて知りたくって、居ても立っても居られなくなります。そこが国内でも海外でも、なんとか機会を作ってその地を訪ねます。そこでさらに惹かれる何かをキャッチすると、なるべく回を重ねて訪れるのです。何を目標としているのか?それはよくわからないのだけど、その地に立ち、その地の空気を感じ、風や湿度、香り、音の中に身をおくことで、その地の何かが私の一部となって残る・・・その感覚をもとめているのだと思います。
今月は今年の10月末に出掛けた旅から、大好きなコンテチーズの里フランス・ポリニーを訪れた様子とタルティーヌのレシピを紹介しますね。
スイスとの国境、コンテ地方ジュラ山脈一帯の名産<コンテチーズ>はフランスAOC(原産地呼称保護)チーズNO.1の生産量を誇り、誰からも愛されるチーズと云われています。牛乳製ハードタイプで1個の大きさは直径60cm、重さ40kg前後、1個のチーズに450L.の牛乳(一日の搾乳量15頭分!)が使われます。熟成期間は4か月から2年。若いものは爽やかでミルキー、朝ごはんや料理にぴったり。熱を加えるとトローっと溶けて芳い香りがします。18ヶ月を超えたものは旨味がぎゅっと凝縮され、味わいがぐうっと深まります、これはワインとともにしっとりと。熟成期間や搾乳時季の違いでいろんな顔をみせてくれる、これがコンテチーズの魅力のひとつ。
このジュラ地方はジュラ紀に形成された山が連なる土地。もみの木に覆われた高原で放牧される牛の乳からこのチーズは作られ、もみの木の棚で熟成。長い歴史の中でつちかわれた職人達の手によって<人格をもつ>と云われるまでに育てられるのです。
ジュラ地方を訪れたその日は穏やかな秋の陽射しの中で照葉が輝いていました。ところが翌朝は一変、深い霧に覆われた冬の始まりのような空気、まるで違う土地へワープしたのか思うほど。この地方の冬は大変厳しいらしく、このような気候の中で全てが育まれてきたのだなあと感じ入りました。
朝食を終えてポリニーへ。町の中心にあるチーズとワインの店EPICUREA日本でも有名みたい。ここで12ヶ月と19ヶ月熟成のコンテを購入。別のお店は人でいっぱい、しかも買う量が半端じゃないんです!2キロくらいの塊をあれやこれや、ちょうどシーズンが始まったモンドールも6個ずつ、とまさに大人買い。みなさんチーズ購入が目的なんですね。私が居る間にも大きなチーズが無くなり新しく切り分けられ始めました。ここではトムドジュラとバシュランモンドールを購入。もう一軒、村人御用達のような小さな店では酪農学校製のヨーグルトとバターを購入。私には精一杯の大人買い。
そのあとジュラワインで有名なアルポワへ移動してランチ。コンテチーズのタルティーヌとサラダ。タルティーヌとはオープンサンドのこと。美味しい〜!でもボリューム満点で、夜ご飯は食べられなくなっちゃいました。『もう一つ胃袋あればいいのに』旅先ではいつも思います。
さてさてタルティーヌのレシピを紹介します。
<材料>
コンテチーズ 6ヶ月熟成程度か調理用のもの
パンドカンパーニュ
サラミまたはハム
トマト
*作り方*
1.パンを厚めに切り分け、サラミ、スライスしたコンテチーズをのせてオーブントースターでチーズが溶けるまで焼く。
2.焼き上がったトーストの上に食べやすい大きさに切ったトマトをのせ、サラダを添える。
<memo>
・溶けるタイプのチーズでもよいけれど一度はコンテチーズでつくって欲しい。
・パンドカンパーニュ(田舎パン)がなければ普通のパンで。食感のしっかりしたパンがおすすめ。