2013年11月16日更新
高知・酢みかん文化を楽しむ会/酢みかん塩むすびのレシピ
=酢みかん=
聞き慣れない言葉ですよね?
高知では日常の言葉なんです。果汁と皮を食す酸っぱい柑橘。ゆず、すだちなど香酸柑橘のことです。
日本の柑橘は季節ごとに種類がバトンタッチされていきます。高知では11月上旬に柑橘の種類がいちばん重なるとのことで、一同に集めてそれぞれの個性を愛でて楽しむ・・・そんな素晴らしい会が催されました。
2週続けての高知訪問となりましたが、こんな機会は滅多とないと神戸から駆けつけ参加。会は『利き木酢』から始まりました。木酢とは香酸柑橘果汁のこと。カットされた柑橘の香りと果汁を味わって種類を当てるクイズ!!
エントリーは実生柚子 接ぎ木柚子 ぶしゅかん 直七(なおしち)の4種。
高知の<ぶしゅかん>は観賞用の手仏手柑とは異なり、丸仏手柑ともよばれる柑橘。<直七>はすだちの一種、田熊すだちが正式名称。
<実生柚子>はいわゆるソバージュ、野生の柚子。<接ぎ木柚子>はカラタチに接ぎ木された柚子。接ぎ木することで病害虫に強くなり収穫量が増えます。そんな柚子の知識はあったけれども、食べ比べたことなんてありません。
さてさて利き木酢です。 柚子2種類、確実に違う! 酸味が強い、香りが強い。野生のほうがやはり強いのかな、でも樹齢を重ねるとまろやかになりそうな気もするし。東京から参加されたフランス人と私以外はみな高知の方。ぶしゅかんと直七は楽勝のご様子。とにかく回答用紙に書き込みを終え、次々と運ばれてくる酢みかんを合わせたお料理を味わいながら、酢みかん入りのお酒を味わいながら、お話を聞きながら、名刺交換をしながら、と、なんとも忙しく愉しい時間となりました。
ここで高知の酢みかん文化について少しお話しますね。
柚子、すだち、かぼす、レモン。果汁をさまざまな料理に絞る、鍋物にはポン酢。これはきっと全国共通です。でも高知ではもっともっと日々の食とともにあり、食卓には必ず<酢みかん>! 食卓調味料として欠かせない存在のようです。
おどろいたのは寿司飯も酢みかん100% 生魚をシメるのも酢みかん100%ということ。また、それぞれの柑橘の時季に同じくして旬を迎える魚との相性がこれまたバツグンらしく、みなさん待ちわびていらっしゃるそうです。
<ぶしゅかん>は夏の終わりから黄色くなるまでが旬。少し青い鮮烈な香り、酸味もしっかり。宿毛生まれの<直七>は9月末から。おだやかで素直な香りと酸味。その昔、魚屋の直七さんが魚と合わせて売り歩いたことが名前の由来だと教わりました。
旅で美味しいモノに出逢うと、あれもこれも持って帰りたくなるワタクシ。今回も柑橘をたくさん持ち帰りました。加えてお土産もいただきました。四万十町仁井田米のミルキークイーン新米。土佐の山塩小僧。高知には美味しいお塩もいろいろあります。山塩小僧は初めて知りましたが甘味と旨味の強い美味しいお塩です。ハマりそうっ!!
このお塩を味見して、何をおいても作りたくなったのが塩むすび!
手水はもちろん酢みかんです。しかも酢みかん3種類で食べ比べだーーー!
ということで今月のレシピは酢みかん塩すむびです。レシピってほどではないんだけれど...美味しいですよー! ぜひぜひお試しくださいね。
<酢みかん塩むすびの作り方>
お米
昆布水 または水
酢みかん絞り汁
塩
<作り方>
1.洗った米に昆布水を好みの加減に加えて炊く。
2.酢みかん絞り汁に塩を加えて手水を作る(酢みかん小さじ2に塩小さじ1/4目安)
3.2を手水にたっぷりつけて、炊きあがったごはんをおむすびにする。