2009年06月03日更新
「新居でやりたいこと、欲しいもの」
上の子は新しい幼稚園に通いはじめ、下の子も階段の上り下りができるようになってきました。私は1階の仕事部屋にこもりつつも、広間に腰を伸ばしにいくのが何よりも楽しみに。無垢のパインの床板は、肌触りが実に柔らかく、そして暖かく、原稿書きでオーバーヒートした頭と体を労ってくれるような気がしています。妻も掃除の段取りがつかめてきたとか。以前のマンション暮らしと比べて、小さな家とはいえ、やはり掃除する面積は増えましたし、無垢の床と漆喰の壁という今まで付き合ったことのない内装をどう扱っていいものか、頭を悩ませていたそうです。
掃除機をかけて、固く絞った雑巾で床を水拭きして。調理時に壁に飛んだ油汚れも折を見て拭き取って。すべてを一度にやろうとせず、一週間の間で段階を踏んで片付けていくと無理なくやっていけるようです。
檜の階段板は、子供が上からおもちゃを落として遊んでいたために、いきなり傷だらけに・・・。ささくれは紙ヤスリで削り落とし、割れた部分は接着剤で補修を。下の子がぐりぐりと手を突っ込んで大きくした障子の穴も、升目に沿って切り取った和紙を貼り付けてとりあえず見た目は気にならなくなりました。
家族それぞれが自分なりに「日常」を生み出して、新しい家を「我が家」として消化してきている手応えは感じますね。ようやくスタートラインから何歩か踏み出せたといったところでしょうか。
さて、次の段階に進むには、いくつかのピースを埋めて「日常」をもっときちんと確立させていくことが必要であるように思います。今、課題となっているのは以下の通りです。
・表札 板は工務店からもらったので、書道をたしなむ義母にお願いしようか。でも、なかなか頼みに行く時間がとれないなあ。
・郵便受け これがまた気に入る製品が全然見つからない! いいかなと思うと何万円もするような高級品だったり。我が家の設計者である増井真也さんは「凝ったデザインのものより、シンプルなポストが合いますよ」と言うのだが、その「シンプルなポスト」というのが意外に見つからないのだ・・・。そうは言っても、いつまでもお手製の紙箱を改造したものを使い続けるわけにもいかないし。
・掛け時計 幼稚園が始まってからは、ちらりと見られるところに掛け時計が欲しいと痛感。だいたい欲しい製品のめどはついているのだが、買い物に行ってもほかにもっと必要なものがあったりして、なんだかんだで後回しになってしまう。
・グリーン 室内に大きめの鉢植えを置きたいのだが、植物の種類があまりにも膨大で、ひとつずつ名前を覚えている段階。これも選ぶのに時間がかかりそう・・・。
・テレビ台 あんまり場所をとるものは置きたくないけど、それなりに収納部は欲しいし。インテリアショップには、テレビしか乗らないオシャレなものや、壁面にがっちり棚が用意されたものはあるけど、その中間が欲しいんだよな。
洗面室に棚を増やしたいし、ダイニングテーブルには浸透系のワックスを塗ってビニールカバーを取ってしまいたい。土間の柵には、目隠し用&直射日光対策に蔓草を絡ませるポールを取り付けたい。仕事部屋にもうひとつ収納ラックを入れてモノを片付けたい。
数え上げてみれば、やりたいこと、欲しいモノがいっぱいだ。あきらめずに日々の雑事の合間をぬってやっつけていこう。まだ住み始めて3か月しか経ってないのだから。
- 渡辺圭彦プロフィール
- 1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。