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住宅ライターの家づくり奮闘記

一通り飲み食いした、パーティー中盤の様子。大テーブルには各人の取り皿のほか、カセットコンロや大皿の料理なども並べることができました。

この日、新築祝いとしていただいた照明。階段の下に置いてみました。和とも洋ともつかないシンプルなデザインは自然素材の内装にも違和感なくとけ込んでくれました。

2010年03月10日更新

ホームパーティーをやってみた

 昨年の2月14日、私たちは新しい我が家に引っ越してきました。1年をかけて、足りないものをそろえ、春夏秋冬の暮らし方について実際に経験を重ねていくことで「我が家」としての愛着と実感を獲得してきました。  「そろそろ人を呼んでお披露目してみてもいいかな」。そんな思いが自然と浮かんできたのです。  もちろん、それまでにも自分たちの親族や友人が遊びに来ることは何度もありました。でも、そのときはあくまでも「途中経過」のようなもので、住み心地について来客に聞かれても「なかなかいいよ。まだ半年だけどね」などとどこか曖昧にして断言を避けていたフシがありました。  しかし、煮え切らない感想もこれまで。1年住んで確信を得たことで、気の置けない友人に対して「ウチはいい家だよ。どうぞ見てください」と胸を張って言えるような気になったのです。  招待するメンバーについては、私が公私ともに付き合いのある人を中心に声をかけていきました。人数はテーブルを囲めるくらいがいいかな。杉のテーブルは8人は座れるけど、私と妻はあまり腰を下ろすこともないだろうし。こたつをそのまま出しておいて、飲み物を入れたアイスクーラーの置き場にしよう。来客の連れてきた子どもたちはウチのと一緒に2階で遊んでいてもらえばいい。  メニューは妻と相談して、ポトフを洋風鍋の感じで出して、ピザを焼いて、手を出しやすいよう海苔巻きもつくって。普段アルコールは常備していないので、缶ビールも1ダースほど用意。皿とコップはなんとか足りそうだけど、カトラリーの数に不安があったので割り箸とプラスチックのスプーン、フォークも念のためにそろえておきました。  当日は引っ越しの日を思い出すような寒さ。雪までぱらついてくれました。  最終的にお招きしたのは6組。ウチまで来てもらえれば、あとはもう順々に飲食物を供していくだけです。あっと言う間に数時間が過ぎ、お開きということに。  これだけの人数に来ていただいたおかげで、気付いたことがいくつかありました。土間からの出入りは間口が広いため、比較的スムーズに来客をさばくことができること。オープンなキッチンは、給仕や後片づけには便利ですが、働いている様子が丸見えなので、来客に「あなたも座って」と気を使わせてしまうこと。  2階との距離が近いので、2階で遊ぶ子どもたちの気配を感じながら1階で過ごすことができること。子どもたちは飲食のタイミングが大人とは違うので、食事とデザートの出し方を大人と切り離したほうがいいということ。などなど、いろいろと勉強になりました。  次にはもっとスムーズにもてなすことができるかな。まあ、「次回」はもう少し先になりそうな気もしますが…。  さて、前回お知らせしたように、このホームパーティーと前後して新しい桜も我が家にやってきました。やはり、1本の木が加わると、外観もぐっと引き締まるような気がします。比較的早咲きの品種なので、次回では開花の様子をご覧いただけるかもしれません。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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