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住宅ライターの家づくり奮闘記

2010年12月08日更新

四季を楽しむデコレーション

 今年もいよいよ大詰め。長いようで短い1年を振り返る前に、12月には片付けなくてはならない仕事や家事が山のように待っています。

 とは言え、あんまりキリキリと過ごしていくのも味けがないもの。とくに子どもたちにとってはお待ちかねのイベントが控えている時期でもあります。それは、そうクリスマス!

 今年はIKEAで本物のモミの木を買ってきました。高さ150cmほどですが、枝を広げてみるとけっこうな大きさがあります。以前、住んでいたマンションではおそらく邪魔になってしまっていたでしょう。

 店先で見ていたときには「玄関か外の土間でも置こうか」と考えていたのですが、結局、食卓の横に配してみました。わが家の場合、リビングは床座なのでソファはなく、動かせないのはピアノとテレビくらい。冬にこたつを出したり、子どもが風邪を引いたら布団を敷いたりと、そのときどきに合わせて使い方を変えることができます。今回はクリスマスバージョンのリビングということになりました。

 それに合わせて、ピアノの上にはサンタの人形など小物を並べてみたり。大黒柱の背割り(乾燥による伸縮を調整するために木材に入れる割れ目のこと)に子どもの作ったリースをかけてみたり。ランチョンマットも緑と赤の色違いをそろえてみました。

 ちょっとしたことですが、コンセプトを持って室内を整えてみると、なんだか楽しく心引き立つものですね。そんな空間で暮らしていると、「ここはこうしたらいいかも」というアイデアも誘われるように浮かんできます。そういう意味では、日本における四季の移り変わりは、生活に潤いを与えてくれるいいきっかけになるのかもしれません。

 最近の住宅を取材すると、10年前と比べ、自然光をたっぷり取り入れたり、風の流れに配慮したり、といった設計上の工夫が多く見られるような気がします。それだけ人々に求められている要素なのでしょうね。

 それと同時に、階段にニッチの飾り棚を設けたり、廊下や玄関に床の間ともギャラリーとも言えるようなスペースを用意する例もたびたび見受けられるようになりました。「旬を感じられること」と「しつらいを楽しむこと」は、ひと続きであるのかもしれません。

 わが家のモミの木も、日数を経過するうちに旬を失い、葉が枯れていくはず。ちょっとひた拍子ではらはらと葉が落ちたりもします。願わくばクリスマスまでは緑を保ってくれますように。フライングですが、これがサンタさんへの今年の私のお願いです。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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