2011年01月12日更新
冬の快適性を向上させる住まい方
地球温暖化が騒がれる昨今ですが、さすがに年末年始の頃にもなると、本格的な寒さがやってきますね。 わが家は、1階が広間とキッチン、食卓が一体となったワンルームで、天井は屋根勾配に沿った吹き抜けとなっています。夏は風通しがよくて大変けっこうなのですが、室内の空間が広い分、冬場はどうしても暖房効率があまりよろしくありません。 そこで昨年冬から導入しているのが、オイルヒーターとこたつです。オイルヒーターは、機器内部の循環液を電気で温めることによって熱を放射する仕組み。エアコンの温風だけでは暖気が天井付近にたまってしまいがちですが、熱そのものが空間全体に届くので、じんわりとした暖かみを感じることができます。 また、こたつは言わずとしれた冬の王者。頭寒足熱を体現し、不思議な安心感をも与えてくれます。わが家の冬の団らんには欠かせません。 朝はエアコンをつけて一気に暖め、日中から夕方にかけてはオイルヒーターにバトンタッチ。夕方以降はこたつ、と一日のうちで主役を使い分けながら、自分たちなりに心地よい環境を演出しています。 あとなんといっても、お日さまの温もりもたいしたものです。わが家は南向きということもあり、比較的日当たりがよく、晴れた日には一日中、日差しが入ってきます。1、2階それぞれに南側には掃き出し窓を設けているので、たっぷりと太陽熱を取り込むことができています。 無垢材の床の上にできた日だまりは、いかにも温かそう。思わず寝転んでしまいたくなります。実際、子どもたちはよく転げ回っていますし(笑)。太陽熱を含んだ空気は2階へと上り、暖気のたまった2階は、日中は暖房が不要なほどに心地よい場所に…。昼寝をする下の子がうらやましい限りです。 冬の暖房を検討する際、暖房機器をどうするか、に目が向きがちですが、日差しを取り入れる方法や窓から忍び込む冷気を防ぐことを考えてもいいのかもしれません。わが家でも日が沈むと、窓のカーテンや障子を早々に閉めることにしています。 さらに1枚重ね着をしたり、室内用の防寒靴下を履いたり。そんな小さなことの積み重ねでも冬の快適性は違ってきます。住まい手の暮らし方ひとつで、家の住み心地は大きく向上するのではないでしょうか。- 渡辺圭彦プロフィール
- 1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。