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住宅ライターの家づくり奮闘記

地震によって割れが生じた外部階段。コンクリートブロックの下地にモルタルを塗りつけて仕上げてあります。下のブロックが壊れたわけではないので、表面のモルタルを塗り直せば済むようです。

以前、ベビーカーを玄関に運び込むときに、下端の水切りに引っかけてしまい、浮いたままだったのを池上さんに直してもらいました。こうした補修作業は本来、大工さんなどの仕事ですが、池上さんは現場管理の担当でありながら、こうした作業も難なくこなしてくれます。建主としては非常に頼もしい存在です。

2011年04月13日更新

地震対策と定期点検

 3月11日、千葉県船橋市にある我が家も相当揺れました。ちょうど第一波が来たときには私は最寄り駅のホームに降り立ったところで、震動がおさまるまで「地震だ」ということを理解できませんでした。

 周囲のコンビニやドラッグストアで棚の商品が散乱しているのを見て、ようやく「これはただごとではない」というのがわかったくらい、混乱していました。急いで自宅に戻って家族の無事を確認すると、家の外壁に沿ってひとまわりし、被害の状況を調べることに。

 軟弱地盤の敷地であったせいか、若干の地盤沈下があり、埋設していた配水管が一部露出していたのと、土間に上がる階段の一部が破損したくらい。家の中は、書類が積み上げられていた私の仕事部屋のほかは、食器が落ちることもなく、ほぼ問題はありませんでした。

 地盤改良のときに鋼杭を地中深くの支持岩盤まで打ち込んでいるのと、建物自体、現在の耐震基準で設計されているので、震度5強くらいだとこのくらいで済んだのかもしれません。

 ともあれ、破損箇所をそのままにしておくのも気になるので、それからしばらくして建築をお願いした工務店のスタッフに見に来てもらうことに。ちょうど築2年を経過したこともあり、定期点検のタイミングとしても悪くない、と思ったのです。

 東北地方にあった各種建材工場も被災し、製造量が低下する一方、被災地の復興に向けて建築資材がそちらへ優先されるとあって、各地の工務店は建材・設備機器の供給が不安定な状態にあります。今後はこのあたりの対応も必要になってくるのでしょう。

 我が家の施工現場を監督してくれたのは、ますいいリビングカンパニーの池上さん。同社の工事主任として、前述した苦境の改善に取り組んでいます。そんなときに足を運んでもらって申し訳ない気もしたのですが、顔を見て会話を交わすとやはり安堵するものです。

 我が家の状況をチェックしてもらったついでに、玄関の水切りを直してもらいました。自分でもあらためて身の回りのことを見直すきっかけにもなりますし、やはりこうして定期的にプロに来てもらうのは大切なことですね。震災の影響によって不安定な情勢が続く現在、日常の舞台となる住まいの必要性・重要性も増しているように思えます。

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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