2012年01月25日更新
子ども室の成長とともに子どもも成長する
2012年の年明け早々、私たちが着手したのは、「子ども室ステップアッププロジェクト(仮)」でした。ま、要するに「そろそろ子ども室なんとかしようよ」ということです。上の子がこの春には小学校3年生になります。毎日宿題もあるし、それなりに学習内容も進んできました。また自分の持っている本のほか、図書館で借りてくる本もあります。私も妻も、今はひとつの曖昧な空間である「子ども室」に、彼の「場所」や「収納」を確保してあげる必要が出てきたように感じたのです。
さて、本棚を選ぶか、クロゼットを配置するか、それとも机を買い換えたほうがいいのか。いろいろ考えた末、私たちが子ども室のステップアップのための切り口としたのは、ベッドでした。
今は2階の寝室で雑魚寝状態ですが、上の子は寝る前に枕元のライトスタンドを点けて本を読むことを楽しみにしています。もう読み聞かせしなくてもよくなったということで、ひとりで寝てもいいのかな、と判断したのです。
そうとなると、とりあえずはIKEAです。無印良品やニトリなど、近隣の家具を扱うショップのベッドもざくっと調べてみたのですが、今ひとつ決め手に欠けました。私たちが探していたのは、ロフトベッドです。ベッド面が高い位置にあり、その下の空間を収納などに利用できるというもの。2階の子ども室の「天井が高い」というメリットを生かそうと考えたのです。
一瞬、2段ベッドもありかな、とも考えたのですが、下は女の子だし、いずれ部屋を分けることになるでしょう。やはり部屋の端と端にそれぞれのベッドを置くほうが自然でしょう。
もうひとつのポイントはベッドの大きさでした。幅140㎝だと安定感はあるけれど、やはり部屋全体に圧迫感が生じてしまう…。幅90㎝だと、ぐらぐらするのではないか…。もろもろの思惑を抱え、実際に店舗に見に行くことにしました。
見たら即決。90㎝タイプにしました。揺れが気になるようなら、ベッドの脚を金具等で壁に固定してしまえばいい。
組み立ててみると、ちょうどいいサイズ。上の子も喜んではしごを上っていきました。以来、あっさりと彼は寝室から独立することに。本やらタオルやら自分なりにいろいろ持ち込んで「自分の空間」を築こうとしているようです。やはり住環境によって人は成長や変化を促されるものなのだな。そんなことをあらためて思い知らされました。
- 渡辺圭彦プロフィール
- 1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。