2013年02月20日更新
どこまで新築? どこから中古?
今年の冬は寒いですね! 毎年2月はそんなことを言っている気もしますが…。冬にこそやっておきたいことのひとつが塗装です。凍えながら外の木部を塗るのはなかなかヘビーですが、乾燥しているので乾きも早く、夕立などに見舞われる心配がないというメリットは大きいのです。
秋にも柵を塗り直しましたが、今回は玄関ドアとサッシがターゲット。どちらも木製で、これまで手を入れていなかったので、ずっと劣化の状態が気になっていました。
どちらも日当たりがよいため、晴れた日には紫外線を真っ向から受け止めています。また天気のよくない日には、軒がカバーしきれない下部が雨でずぶ濡れに。ドアもサッシも表面の塗装がすでに剥げ落ちて、色も抜けて白っぽくなっていました。
まずはサンドペーパーで表面の汚れやささくれを落とします。そのあとガラス面などを養生テープなどで覆って、水性塗料でじっくりと塗り直すことに。今回は明るめのオレンジメープルという色にしてみました。半日もあればしっかりと乾いてくれます。これで梅雨も夏の日射も大丈夫でしょう。
職人さんの手を借りずともほどほどに手入れできるのはいいものです。自分の好きな仕上げ、好きな色、好きな質感に仕上げていくことができます。
さて、お向かいの分譲住宅は不況の折もあってか、まだ買い手はついていません。1月に竣工したのち、ポーチにタイルを貼ったり、業者さんも「お化粧」して販促を図っています。
不動産業界的には「未使用で築1年以内」でないと「新築」の表示はできません。中古になれば値下げせざるを得ないので、お向かいの家を扱っている業者さんもここしばらくは、週末に担当の営業マンを現場に張り付かせたり、一生懸命です。
家は竣工した瞬間に劣化が始まっていきます。工場できれいに製造された建材も年月が経つごとに傷み、汚れて、価値が下がっていきます。
一方、わが家で多用されている自然素材は、住み手が手を入れていくほどに味わいと愛着を増していきます。そういう意味で言えば、大工さんの工事は終わりましたが、私たち住み手による「仕上げ」はまだまだ進行中。不動産業界的には「中古」の範疇ですが、一緒にしてほしくないですね(笑)。
- 渡辺圭彦プロフィール
- 1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。