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住宅ライターの家づくり奮闘記

鉢植えのひとつでは「チョコレートサンデー」というバラが咲きました。華やかな色合いが土間を彩ってくれています。

玄関ドアの脇には、ツルバラの鉢を置きました。ガーデン用の椅子に乗せると、ちょうどいい高さに。いずれ土間の柵周辺にはわせる予定だそうです。

2014年05月21日更新

住まいは夢をかなえる場所

5月を迎えて日中の気温が20℃を超えるようになり、衣服も完全に春仕様に切り替わってきました。小学校に通う子どもたちも新しい学年での毎日に慣れてきているようです。

わが家で妻が熱中しているのが、土間回りで育てているバラです。バラといっても様々に種類があり、それぞれの特徴に合わせて置き場所や水、肥料のやり方などが違うようで、テレビやインターネットで調べては日々研鑽を重ねています。

地道な世話のかいあって、最近、それぞれのバラが花開いてきました。妻は毎朝、障子を開けるたびに数分間、じっと土間のバラの様子を楽しんでいます。

私が住宅取材で建主に必ず聞くのは、「なぜ家を建てようと思ったのか」ということです。家を建てるには、費用はもちろんのこと、土地のこと、業者選びのこと、工事のことなど、さまざまな情報を収集し、仕事や家事で忙しい中でいくつもの決断をしていかなければなりません。かなり負担の大きい一大事業です。「それでも建てたい」というモチベーションの源はなんなのだろう、というのは、原稿作成に必要な要素であると同時に、同じ建主としての個人的な興味でもあります。

そこでよく聞くのが、「上下階の人に気兼ねせず、子どもをのびのび育てたい」「音楽を存分に楽しみたい」「既存住宅の不便さから解放されたい」、そして「園芸やDIYをやりたい」という声です。家は、生活の場であると同時に、自分の夢をかなえる舞台でもあるんだな、と毎回実感ししています。

また、そういう場を持つことで、家に触発されて新しいことに取り組む建主さんもけっこういらっしゃいます。人を呼べるリビングができたのでホームパーティーをやるようになったとか、今までホームセンターに行ったこともなかったのにいろんな工具をそろえて工作を始めるようになったとか、犬や猫などを飼うようになったとか。週末に外出していた家族が、家で過ごすようになったというのも、よく聞く話です。

こんなことしてみたい。建主のそんな夢を育んでくれる家に取材で出会うことができると、私は無条件で「いいなあ」と共感します。


住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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