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住宅ライターの家づくり奮闘記

土間と前面道路の間は砂利敷きに。コストは安く仕上がりますが、足音がしっかりするので私は好きです。

2階から見下ろしたところ。ベランダの下にも砂利が続いているので、コンパクトカーなら1台分くらいは駐められるスペースがあります。

2014年09月17日更新

外構計画は家づくりの一部

わが家を建てるときは本当にぎりぎりの予算で計画していたので、いちばん大事な要素(無垢材の床や柱、木製建具、左官工事など)を確保したら、あとはトイレや浴室やキッチンなど最低限必要なものに絞って、ひたすらそぎ落とす作業をしていました。

その中には薪ストーブや床暖房などの設備機器や、ルーフバルコニーのような設計上のアイデアなども含まれていました。これは、建物だけではなく、外構計画でも同様のこと。もっとも安く仕上がる砂利敷きでいこう、というのはわりと早い段階から決めていたような記憶があります。

わが家では自家用車を持っていませんが、親族や友人が車で訪ねてきたときのために、1台分くらいは駐められるようなスペースを接道部分に確保しました。ふだんは家族4人分の自転車置き場になっています。

コンクリートで固めたほうが車や自転車にはよかったのかもしれませんが、ちょっと味気ないような気もします。砂利は土や砂の延長のような感じがして、個人的にはわりと好き。誰かがやってくるとジャリジャリ音がして防犯面でも役立ちますし、家族が帰ってくればすぐにわかりますし。

わが家の建物自体は、土間から木製建具で入り込むことができ、オープンなつくりになっています。その分、砂利を通って階段を上がって玄関先の土間に出る、という緩衝地帯の存在がとても重要。外との間にクッションがあることで、開放的な空間で暮らすことが可能になっているわけです。

この土間を含めた外構なくして、わが家は成り立ちません。予算はそれほど割くことはできなかったけれど、設計段階からしっかり計画に入っていたので、限られた敷地を有効に使い切ることができています。外構も家づくりの大切な要素なのだということを、実際に生活してみてしみじみと実感するのです。




住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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