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住宅ライターの家づくり奮闘記

地植えの「バイランド」、赤褐色の「チョコレートサンデー」、土間の上からは「ジュビリーセレブレーション」が顔を覗かせます。賑やかな玄関先のバラの競演はこの季節ならではのもの。

2階の寝室は朝日を浴び、日中は南のベランダ越しに日差しが入るため、晴れた日は日射熱がこもりがち。適度に換気する必要があります。

2015年05月29日更新

バラと換気で実感する新たな季節の到来

5月後半になってくると、気温も高くなり、春を通り越して初夏を思わせる日も続くようになってきました。この季節にわが家の玄関先に彩りを添えてくれるのがバラです。

桜の脇に地植えした「バイランド」、土間に置いた鉢には「チョコレートサンデー」「ジュビリーセレブレーション」、と3種類あり、三者三様に花を咲かせています。

バラが咲くくらいの気温になってくると、気を付けないといけないのが、室内換気です。今の住宅はそこそこ断熱性も気密性もあるので、日射熱は朝からじわじわと躯体に蓄積されていきます。暖められた室内の空気は2階へ上がっていき、階段の途中から明らかに室温に層ができているのがわかるほどになります。

やはり2階の窓を開けて暖められた空気を出してやること、そして、1階の窓を開けて新鮮な外気を取り込むことが大切です。室内にそうした空気の流れができると、湿気もよどみにくくなりますし、何よりも気流を肌で感じることで爽やかな心地になれます。

そして気温の下がる夕暮れには再び窓を閉めて、必要以上に熱を逃がさないようにすることで、2階の寝室はほどよい温もりに包まれるのです。

窓を開けると、近隣の車の音や人の声、雨上がりには鳥のさえずり、風が吹けば木々の葉音が聞こえてきます。外気に含まれる湿気や冷気も含め、換気によって私たちの五感は新鮮な感覚を取り戻すことができるような気がします。

閉じこもっていた冬が終わり、より活動的になる季節。バラの鮮やかな生命力と、換気による開放感を味わうことで、私は新たな季節の到来を実感しています。



 

住宅ライター 渡辺圭彦

渡辺圭彦プロフィール
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、編集・制作会社へ。2004年よりフリーに。著書に「家づくりのホント~欠陥住宅にハマらない心得」(週刊住宅新聞社)など。2009年2月に自邸が竣工。
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