2009年11月04日更新
あなたの家の時間は今何時?
私と娘達は意見が合わない。まあ年齢が違うのだから服装センスは違っても仕方ない。しかしアート関係についてもお互いに??の連発。まあ、どちらも大人だから喧嘩にはならないがとても興味深い。
同じ環境の中で共に長年暮らしてきても趣味や好みが異なるのだから、人それぞれでインテリアやアートに対する趣向が違うのは当然。同じ素材で料理をしても作り手によって見た目も味も違ったものが出来上がってくるのに似ている。
スタイリッシュなインテリア雑誌や映画のシーンをそっくり真似してもそこにはきっと住み手の個性が現れるもの。
模倣から入っても時間と言うフィルターを通すことによって自分らしさが出てくると感じる。
まして自分の好みで自分の目で探し集めたものをインテリアとして我が家に取り込めば、他には無い独自の世界が広がる。
しかしそこでネックになるのが飾りつけのセンスとバランス感覚。あれもこれもと並べると息苦しく、すっきりぽつんは温もりに欠けるし・・・作品と壁を交互に見比べて行ったり来たり頭を抱えることも多い。
インテリア・アートは家の広さやスタイルによって違ってくるので一括りには言えないけれど最近出合ったアメリカのアーティストの家が面白かったので参考までに紹介しよう。
まずは、”ルナパーク”
カントリーサイドに大きな土地を持ち自分で自宅ミュージアムの造成、建築を続けているアメリカのガウディ、陶芸とジュエリーの作家でもあるリッキーの家。ほとばしる自らの感性に導かれて、とどまることの無い制作を続けている彼。
はじめはそのエネルギーの濃密さに圧倒されてたじろぐが、その突き抜けた明るさに引き込まれて帰る道を見失いそうになる。
①常に増殖を続ける家 見学ツアーが予約でいっぱい②オブジェで一杯のガーデン
③バスルーム(ちゃんと使えます)④洗面台⑤建築中の室内の壁
http://www.lunaparc.com/lunatour/index.htm
”グレンダとラスの家”
マンハッタンの真ん中ソーホーでフラット暮らしのグレンダとラス夫妻。ジュエリー作家である彼らの感性で世界中から集められた膨大なコレクションに溢れながらも、決して過剰ではなくすっきりと端正ないでたちで収まっているそのバランス感覚が凄い!
①居心地のいいリビング兼ダイニング 壁には世界中の器や帽子
②小さく見えて本物の子供椅子③洗面台周り
④居心地のいいデスク周り⑤糸巻き結構30cmくらいある大きなもの
どちらもティストは異なりながらも自分の好きなものをうまく捉らえて見せてくれている。
そして、”我が家のお皿の木”
Photographer:mariko yamamoto
今までの記念日と旅で出合ったお皿達をひとつの木にした。
過去を振り返ることが多い年齢となった今、それぞれの出会いを語って思い出を暖めている。4時20分の家に住む私たち、家を飾るものには共に過ごした長い月日があり、これから訪れる静かな日々を心地よく過ごせる安らぎがある。
若い人の家、にぎやかな家族の声で満ちている家、静寂の家、街中の家、自然の恵みたっぷりの家、どこのどの家とも違うあなたの家。
あなたの家の時間は今何時?
- 鉄工房Eisen(アイゼン)
宮嶋昭夫・宮嶋洋子 宮嶋昭夫 鉄の持つ確かな素材感、朽ちてなお美しい力強さに惹かれて、制作を続ける。作りたいもの語りたいことは山ほどあるが、毎回少しずつ紹介していきたい。鉄工房Eisen
宮嶋洋子 ゆっくりした時間を紡ぎ出しながら家で過ごすのが好きだが、好奇心旺盛で常に面白いものをキョロキョロと探している。その様子の一端をブログ「zarlo」(http://zarlo.exblog.jp/)でも公開中。