2011年12月08日更新
「首都圏で10m超の津波!?」神奈川県が新たな予測図を発表
本日(12月8日)、神奈川県は新たな「津波浸水予測図」を発表しました。これは3月11日の東日本大震災をうけて、従来(平成19年公表)の津波ハザードマップを見直すために、津波浸水検討部会を設置し検討した内容を元に作成されたものです。
最大の特徴は、歴史上で最大クラスの津波をひきおこした地震を想定して作られていること。「明応型地震(1498年)」や「慶長型地震(1605年)」、「元禄型関東地震と神縄・国府津-松田断層帯地震の連動」による3パターンの予測図が新しく発表されています。
そのなかの「明応型地震」予測図を、鎌倉市街地を中心に拡大したものが下の画像です。これによれば、津波は最大12mにも達し、JR「鎌倉」駅をのみこんで鶴岡八幡宮近辺まで、およそ内陸2Kmも津波が押し寄せるとしています。ちなみに、平成19年に公表されたこれまでのハザードマップを下の赤枠内に表示しましたが、浸水エリアの差は一目瞭然です。
現在、太平洋沿岸部に位置する各自治体では津波予測図の見直しやそれに基づく防災対策の立て直しに取り組んでいます。神奈川県に先駆け、静岡県の榛原郡吉田町も先月29日に新たな津波ハザードマップを公表しました。ここでも過去最大クラスの「明応地震」を想定し、最大で8.6mの津波が押し寄せる恐れがあると予測しています。
ただし、ハザードマップを見る上では1点注意が必要です。それは作成するときの予測の元データとなる地震が、自治体によって異なっていること。したがって、最大級の津波の高さが隣接する行政区で数メートルも異なるということが起こり得るのです。
ちなみに現在東京都では、区部における津波の想定は最大でも2m以下であるとしています。これは東南海地震、南海地震を元に予測されたものです。都では現在、「慶長型地震」の予測を新たに検討中で来年春には公表する予定になっています。
【関連リンク】
神奈川県ホームページ「津波浸水予測図」
東京都ホームページ地域防災計画「震災編」
神奈川県HP「浸水予測図<想定地震:明応型地震>より抜粋」
【参考記事】
■「東京湾の津波」対策を見直し
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