2013年10月22日更新
相続税改正は不動産で対策を!?
相続税は、財産のもとの所有者である「被相続人」の財産に対して課せられる税金です。仮に現金を相続する場合、継承する「相続人」は実際の額面に対し課税がなされます。一方、不動産を相続する場合は、土地は「路線価」を対象に、建物は「固定資産税評価額」をもとに課税されます。これらは市場で流通している実勢価格より下回っているケースが一般的です。不動産が相続税対策として有効だといわれているのは課税対象になる額が圧縮できるからなのです。
さて、2013年相続税が大幅に改正されることが決定しました(適用は2015年1月1日から)。最大のポイントは基礎控除の減額です。これまでは定額控除5,000万円に法定相続人数比例控除が1,000万円×法定相続人の数でした。妻一人、子二人のケースであれば8,000万円の基礎控除が受けられたわけです。しかし、改正後は定額控除が3,000万円に、法定相続人数比例控除は600万円×法定相続人の数になります。同ケースの場合、基礎控除の総額は4,800万円となり、4割もの大幅減になります。
税率も一部変更になります。相続人一人あたりの取得金額が2億円超3億円以下のケースは税率30%だったものが40%に、6億円超であれば50%が55%に増税になります。相続税は引き継ぐ財産が基礎控除以内であれば申告する必要はありませんが、改正により申告しなければならない方は1.5倍に膨らむと予想されています。割合でいえば、これまで相続人の4%程度だったのが6%になるだろうとのことです。
前述した不動産による相続税対策の中でも、土地の持分が比較的小さくなる分譲マンションはさらに効果的だといわれ、なかでも眺望に付加価値を上乗せするタワーマンション(の上層階)はよりその効果が高いともいわれれています。2013年9月マンション市場は、2014年4月の消費増税の駆け込みにより活況を呈しましたが、2015年1月の相続税対策を理由とする購入者が散見された現場もあった模様です。相続税改正の施行はまだ1年以上ありますが、不動産市場での動きはすでにはじまっているといえそうです。
参照:国税庁公式サイト
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