2014年03月18日更新
住まいのPM2.5対策
PM2.5は、粒子の大きさが2.5μm(μm=マイクロメートル)以下の非常に小さな粒子のこと。μm(マイクロメートル)は、10のマイナス6乗(0.001mm)。人の肺の奥まで入り込みやすいことから、ぜんそくや気管支炎、肺がんリスクの影響などが指摘されています。近年、冬から春にかけて中国の大気汚染が海を渡って日本列島に至ることが問題視されています。
先月26日(2014年2月)、大阪府では基準値を上回ったことから、初めて「PM2.5の注意喚起」を発表しました。具体的にどのようなレベルになれば対策が必要なのでしょうか。
微小粒子物質(PM2.5)は、「1年の平均値が15μg(マイクログラム)/立米以下」(下のグラフ①)「1日の平均値は35μg/立米以下」(同②)と環境基準*で定められています。専門家会合は「1日の平均値が70μg/立米(同③)、1時間の平均値が85μg/立米(同④)を超える場合は、地方自治体が注意喚起を行うことを推奨しています。
1日の平均値は、翌日にならないと結果がわからないため、大阪府では午前5時~7時のPM2.5濃度が85μg/立米を超えた場合(同⑤)、あるいは午前5時~12時までの濃度が80μg/立米(同⑥)を超えた場合には、注意喚起のための情報発信を行うとしています。2014年2月26日、後者の基準を超えた(同、赤丸)ことから初の注意喚起を実施することになりました。
出典:東京都、大阪府環境局公式サイト
注意喚起とは
・屋外での長時間の激しい運動や外出をできるだけ減らす
・屋内でも換気や窓の開閉に注意する
・特に、呼吸器系や循環器系の疾患のある方、子どもや高齢者は体調に応じて、屋外活動や不急の外出を控えるなどより慎重に行動するように
というもの。
ちなみに、翌日(27日)は早朝の値が35.7μg/立米、午前の値が31.9μg/立米。日によって、値が大きく上下することがお分かりいただけると思います。
この注意喚起の基準ですが、(大阪府とは異なり)東京都は具体的な目安を設定していません。東京都環境局では1時間おきに都内47地点の大気汚染濃度の数値をホームページで公開しています。
住居対策としては、気密性と換気がポイント。隙間風が入るようであれば入り口をふさぐこと。換気は外気を直接取り込むタイプなら、フィルターの設置など室内への侵入路を抑えるとともに、空気清浄機の導入も同時に検討したましょう。
*環境基準とは環境省が「人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたもの。環境基準は「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標である。これは人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい目標として、その確保を図っていこうとするものである。(環境省公式サイト)
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