2015年01月14日更新
中古一戸建てをリノベーションするときの注意点
リノベーションのリビタが中古一戸建て分野に参入します。中古一戸建て住宅を買い取り、性能を改善したうえで再販。販売済2戸も含め、現在8戸を計画。今般、そのうちのひとつ「北烏山の家」にて説明会が開催されました。一戸建て中古物件ならではの注意点をレポートします。
「北烏山の家」は世田谷区北烏山1丁目52-8。京王線「芦花公園」駅徒歩13分の立地です。昭和50年竣工(築39年)。敷地面積182.18平米、建物は木造軸組在来工法・2階建て、延床面積116.08平米。説明会場は建物の2階。内部は内装、設備がすべて取り払われた状態で部位の解説が所々にディスプレイさせていました(画像参照)。
1時間10分の説明で最も費やされたのは「中古一戸建てをリノベーションするときの注意点」。全部で10項目です。
①工法:工法次第で改修の容易性、コスト、工期などが大きく異なってきます。在来工法はかつて主流の工法で可変性にも優れていることから、実績も豊かでアイデアの幅も広がるといわれています。
②耐震性:耐震基準は1981年と2000年に変更がありました。自己購入しリノベーションを検討する場合はまずは竣工時期を見ることで耐震改修の必要性を推察することができます。
③劣化:見えないところの劣化状況は内装をはがしてみないとわからないことが多いようです。劣化状況によってリノベーションコストが大きく変動することに留意しましょう。
④税制、補助金:住宅ローン控除や耐震補強工事の補助金制度などを事前に確認しておきましょう。
⑤古家付き住宅:中古住宅のチラシで「古家付き住宅」と記載されている場合は、土地分の評価しかなされていないケースが多いようです。リノベーションで価値が高まる可能性を考えると逆に狙い目だと捉えることができます。
⑥エリア特性
⑦要注意物件:敷地境界点のない土地は注意しましょう。実測にて土地面積の確定が難しい場合は、購入を見送ることも考えましょう。
⑧全体フロー:構造や断熱など専門家しか判断できないチェックをいつどこでするか、不具合の確定はスケジュールや予算に大きく影響するため、活動に入る前にあらかじめ全体の流れをイメージすることが重要です。
⑨環境
⑩住宅リテラシー
中古住宅市場においては、築20年もすれば建物評価はほどんどゼロ。これは新築偏重ともいえる業界構造とローンや税制優遇などの購入環境の不整備が大きな要因だったといえます。しかし、耐震性を満たす住宅であれば築年数を問わないとするローン控除対象要件の改定や融資条件の緩和が見込めることから、今後中古住宅市場は間違いなく拡大していくものと思われます。
好立地の分譲地では、現在では手に入らないような「広い間口の土地」、「ゆとりのある面積の大きな土地」が珍しくありません。成熟した住宅街は落ち着きがあり、暮らしやすさを実感できます。中古一戸建てリノベーションの普及は、街並みの継承につながる意味でも注目していきたい分野であると感じました。
説明会場は一般の購入検討者で満席に。
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