2014年10月01日更新
マンションのブランディング戦略
第二回：共用施設の最大活用化と、マンションの資産価値、居住価値を維持向上させるために
前回のコラムにて、「共用施設は年月とともに使われなくなる」という専門家の解説を紹介しました。
ブリリアマーレ有明の共用施設利用人数とバーラウンジの売り上げをグラフ化してみると下図のようになりました。
共用施設の利用人数は竣工後、少しずつ下がっていきましたが、高いところで安定しており、今年に入ってから跳ね上がっています。
もちろん、何もせずにこうなったわけではありません。修繕サイクルが軌道に乗った第五期からのタスクは、「お金をかけて維持していくことを決めた共用施設をいかに愛され使ってもらうか」という段階となりました。第五期から行ってきた施策の、ほんの一部を紹介しましょう。
１：バーラウンジをレストラン運営に変更
入居当初のバーラウンジは、一人・夕方～夜間のみバーテンダーが立つ運用で、飲み物の他には最低限のフィンガーフード程度のサービスでした。その後１度のリプレースと数度のアンケートを経て、2013年末に私たちはシェフ派遣業者と提携することを決定し、レストラン運営に切り替えました。
厨房機器を一新、500度のピザ釜や４穴の電気コンロが導入され、素晴らしい眺望とともに本格的な料理が楽しめるようになりました。ワインセラーには７０種類のワインが常備され、一流ホテルやレストランで経験を積んだシェフが常駐し、キッチンスタジオや暖炉コーナーのパーティーをオーダーすれば、シェフに手料理を作ってもらうことすら可能です。今後も利用者の意見を聞きつつ、日本一の分譲マンション内レストランにしようと奮闘中です。
２：ジムの機器購入と、プール／ジム/スパのパスポート導入
当初有酸素運動マシンしかなかったジムですが、空きスペースに無酸素運動マシンを導入しました。４０万円ほどするマシンですが、導入後の評判は非常に好評で、月あたりのジム売上げが３万円程度上昇しました。１年強で元が取れることになります。また、限定的ながら最上階パスポート制度も導入しました。定額を払うことにより、当マンションのプール・ジム・スパを使い放題できる制度です。発行枚数に制限があるため、抽選になるパスポートですが、今のところパスポートの導入によって、共用施設の利用人数は大幅に上昇し、かつ売り上げも上がっています。
３：各種サークル発足促進と共用施設利用優遇制度
「マンション内で教えたい人・教えられる項目」と「マンション内で学びたい人・学びたい項目」の全戸アンケート調査を行い、ニーズが合致したものについては、マッチングを行う、サークル発足促進活動を行いました。特に、管理組合が認定し、住民全体に開かれたサークルには、共用施設の利用料を免除する制度も整備しました。２０１４年９月現在では、月にのべ１９回のヨガ・ピラティス教室が開かれており、プールサイドで東京湾の景色を眺めながらヨガを学ぶことができます。
４：学びを中心としたコミュニケーションの促進
マンションには、子どもと同居しないリタイア世代やDINKS世代が数多く住んでいます。ママ友・パパ友という繋がりがない、こうした方々を対象に「学びを中心としたコミュニケーションの促進」を図ることとしました。
第一弾として、ご近所の大学から経営学の講師を呼び、最先端の経営学を講義していただく「ブリリア大学」イベントを開催しました。早朝の出勤前に経営学の講座を聞きながら朝食を食べ、議論し、そして出勤する。人を集めやすい大規模マンションならではの取り組みです。
こうした、共用施設を最大限活用する取り組みはすべて理事会と管理会社の発案です。デベロッパーを作っただけ・売りっぱなしと批判するのは簡単ですが、共用施設を活用し、このマンションに対して住民が高い満足度を維持できるかどうかは、区分所有者で構成する管理組合〜そしてその執行機関である理事会〜に委ねられています。
活かすも殺すも我々次第、意識・想いといったところでどうにでもなるところもありますので、これは差別化を図るチャンスでもあります。
管理組合公式ホームページの作成
前回で触れたクレドや、豪華共用施設、そしてその利活用などは他のマンションとは違った、競争力のある点だと自負しております。
当マンションは、賃貸や売買により年間約３％の住民入れ替わりがありますが、新しく入った人や検討している方々に、マンションの運営や特性を理解してもらう必要があると考えました。いわばマンションのブランディング戦略と言えるでしょう。公式ホームページは、売主系列である東京建物不動産販売（株）のご協力のもと立ち上げました。こちら（http://bma33.com）。
新築マンションのホームページと同等以上の情報発信することを目標にしています。月に数度更新するブログを見ていただければ、住み心地・入居後のイメージを入居前に感じてもらう事ができます。”ブリリアマーレ有明”とポータルサイトで検索すれば、検索順位１位で表示されます。
不動産仲介業者へのアプローチ
ネットでいくら情報が得られるとはとはいえ、百聞は一見に如かず。実際に入居を検討する方は、不動産仲介業者を通して案内を受けることになります。しかし、仲介業者は、私たちのマンション専属担当ではなく広域で担当されているため、このマンションの魅力をダイレクトに伝える事は不可能です。（最上階のスパに入ったことが無い人が、魅力を伝えることができるでしょうか？）
そこで我々は、近隣不動産仲介の方々をお呼びして、スパやバーラウンジなどの共用施設の体験会を実施しました。まさに文字通り裸の付き合いです。現在は認可を受けた仲介業者であれば、物件案内の際に検討者と共にバーラウンジでの飲食が可能となっております。
以上我々が行ってきた取り組みをご紹介させて頂きました。次回は我々理事会が、有明のまちづくりを推進する活動を行っていますのでその取り組みについてご紹介させて頂きます。
【ブリリアマーレ有明管理組合法人】
第1回 管理組合法人ブリリアマーレ有明へようこそ！
第2回 共用施設の最大活用化と、マンションの資産価値、居住価値を維持向上させるために
第3回 管理組合を飛び越えた取り組み
- ＜江東区有明＞
ブリリアマーレ有明 
江東区有明にある33階建て1085戸の超大規模高層マンション。最上階が全て共用施設になっており、25Mプールや露天風呂付きのスパ、エステルーム、本格イタリアンが最高の夜景を見ながら食べれるBARなど日本最大の共用施設を完備。2020年オリンピックでは多くの競技場が建設され、近く開場予定の豊洲新市場まで歩いていける立地も魅力。
ブリリアマーレ有明 公式サイト http://bma33.com
