2012年08月08日更新
物件価値の向上に成功したリノベーション
旧来の不動産業界の慣習にとらわれず、いまどきの入居者の視点を重視したリノベーションで築年数を経た賃貸物件の価値を向上させているハプティック。今回はその設計・施工の方針とポイントを具体的な提案とともにご紹介します。
ハプティック代表の小倉弘之さんは、自社のリノベーションの手法について、次のように説明します。「賃貸物件のリノベーションは、分譲物件とは異なります。分譲物件であれば、所有者の好みに合わせてかけたいように費用をかけて、設計・施工をすればよいのですが、賃貸物件では常に費用対効果を考慮する必要があります。新しく豪華になればよいというものではありません。家賃設定とのバランスを考えて、リノベーションをプランニングしなくてはならないと考えています」。
その方針をもとにどのような設計・施工をおこなっているか、ハプティックが手掛けた東京都江東区の物件のリノベーションを例にとってみましょう。最寄り駅からは徒歩1分の好立地ではあるマンションですが、築22年と全体に老朽化が進み、2LDK・45㎡の物件で家賃10万円という設定でも、空き室が生じていました。
ポイントとなったのは、間取りにおける2つの和室でした。「年配のかたには落ち着けるかもしれませんが、20~30代のライフスタイルにはマッチしにくい。そこで、床は全面的にフローリングにしました」(小倉さん)。無垢のオーク材を用いた床は、しっかりとした感触と暖かな肌触りが魅力に。
個室の間の壁はあえて残し、ひとつの部屋の引き戸を取り払ってリビングとして使えるようにしました。「施工費のコストアップを防ぐため、間仕切り壁はなるべく生かす方向でプランします。ユニットバスも使用するのに支障がなければ交換しないことがあります」。そのほか、配管工事が発生しないようにキッチンやトイレの位置もそのままに。既存の柱や回り縁はボードを張って隠すのではなく、壁の色に合わせた塗装で目立たなくする、という工夫も。
壁のコンセントやスイッチ類もきれいに揃え直すと電気工事が必要になるので、そのまま残すこともよくあるとか。同じ理由でトイレでは温水洗浄便座は入れず、便座のみ、既存のプラスチック製から木製のものに取り替えます。
施工費を抑えてその分、無垢の床材やオリジナルのキッチンといった、前回ご説明した質感と機能を重視した仕様にこだわるというわけです。
その結果、リノベーション後のこの物件の家賃は35%アップの13万5000円となり、すぐに入居者も決まりました。「当社では、リノベーション後の家賃は15%程度はアップできるように目指しています」と小倉さん。昨今ではリノベーションをしても家賃を値下げしないと埋まらない賃貸物件も多いなか、驚異的なコストパフォーマンスの高さといっていいでしょう。
小倉さんがとくに費用対効果が高い、と考える物件の条件は、「和室が残っていること」「ふたり暮らしの可能な間取り」だと言います。「和室から洋室へ変えると、がらっと入居者の層も変わりますからね。また、ワンルームの間取りですとどうしても相場以上には設定しにくいものですが、1LDK以上だとふたりで家賃をまかなえる分、思い切った家賃設定も可能になります」。
周囲の新築物件より安いのに、ほかにはない上質な空間が味わえるハプティックのリノベーション賃貸。80~90年代の賃貸マンションの建設ラッシュから20~30年経過したこれから、さらにその施工実績は増えていきそうです。
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- ハプティック株式会社 代表取締役
小倉 弘之 (おぐら ひろゆき) 東京大学経済学部卒業。建築への想いから竹中工務店に入社。住宅 / オフィス/商業施設の企画、収益モデル構築、地権者対応等を実施。 その後、ボストンコンサルティンググループにて、大手企業の新規サービス立ち上げ、小売店舗改革、経営計画策定支援等を実施。
2009年12月、日本の住宅の質向上を目指し、ハプティック株式会社設立
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