2012年06月06日更新
“気軽に立ち寄りたい”新築マンションのモデルルーム
マンションのモデルルームを見学したいけれども、「売りつけられそうな気がして尻込みしてしまう」という人が意外にも多いようです。
たとえ仮設であっても、新築マンションの販売センターやモデルルームは立派に作られています。入口には受付も居て、礼儀正しく出迎えてもらえます。ですから、なかなか気軽に顔を出すという雰囲気ではないかもしれません。また、いまでこそ少なくなったようですが、電話番号を教えてしまえば、しつこくセールスされるイメージがあるのでしょう。いろんな意味で、”敷居が高い”と感じるのもわかる気がします。
しかし、マイホームを買う行為自体は未経験な方が大半ではないでしょうか。しかも、ある程度専門知識を要する「不動産の買い方や選び方」を理解するには、十分な情報収集が不可欠です。コツコツと貯めた頭金を使って、ようやく買った物件が「失敗だった」では済まされないと思いませんか。
物件選びだけではありません。住宅購入には、ローンを使うケースが多いのですが、金利の種類や返済の方法など金融商品の基礎知識も学んでおく必要があります。さらに抑えておくべきポイントがスケジュール。意外に思われるかもしれませんが、青田の物件を買う場合はとくに、セレクトメニューの〆切やオプションの〆切、内覧会など、引越しまでに住み心地を左右するイベントが少なからずあります。つまり、マンション購入では”いかに段取り良く、事を運ぶか”がとても重要なのです。
そして、このようなマンション購入に欠かせない手続きをスムーズにナビゲートしてくれるのが販売員。売りつけられるのでは、と身構えていた販売員こそ頼れるパートナーだった、ということになるわけですが、人対人ですから、相性もあります。自分に合ったパートナーに出会うためにも、モデルルーム巡りは欠かせないプロセスと考えましょう。
そこで、”もっと気軽にモデルルームを見られるように”とのコンセプトで用意された場所があります。それが住友不動産が運営する「総合マンションギャラリー」。現在、秋葉原、田町、渋谷、新宿、池袋の5ヶ所に設け、初心者向けの相談を受けられる体制を整えています。
これまで、マンションのモデルルームは、ほとんどが1物件1ヶ所でした。したがって、たとえ同じ会社の物件でも2つ見たい時は2ヶ所、3つなら3ヶ所のモデルルームを訪ねなければなりませんでした。ところが、この「総合マンションギャラリー」は、基本すべての物件の商談ができるのだそうです。もちろん、同社の物件のみではありますが、1ヶ所でしかも一人の販売員からたくさんの情報を収集できるメリットは大きいといえるのではないでしょうか。
冒頭述べたように、マンションのモデルルームは仮設ながらゴージャスに作られています。しかし、しょせんは「売れたら壊す」建物。”作っては壊す”繰り返しに、疑問の声があるのも事実です。その意味でも、常設の販売センターやモデルルームは業界全体のテーマであるともいえるでしょう。
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)