2013年04月10日更新
沖縄の超高層マンション「リュークスタワー」が好評の理由
先月(3月)さまざまなルートから、突然沖縄のタワーマンションに関する情報が入ってくるようになりました。ツインタワーで総戸数676戸。文字通り、大規模の超高層プロジェクトです。首都圏以外では、タワーが売れるのは駅前くらい。そんな漠然とした認識以上の情報を持ち合わせていなかったものですから、最初は話題づくりのキャンペーン程度に捉えていました、が聞いてみると少し様子が違います。
物件名は「リュークスタワー」。昨年8月に集客をはじめ、すでに三分の一が売れているのだとか。それも購入者の約4割が内地(本州)の方。価格は?というと、特別割安なわけではなく、沖縄相場の上限(坪単価@170万円程度)に近い。これはもう実際に現地に行って、理由を確かめるしかありません。
結論からいえば、このマンションは首都圏市場の延長上では考えもつかない独自のマーケットが成立しており、沖縄をよく知る人ほどその価値を理解できるといった事情がありました。ポイントは3つ。まずひとつは、那覇市で一二を争う好立地だということ。元米軍の住宅地があった高台の南端で、発展目覚しい「新都心地区」の好ポジション。地勢に恵まれ、唯一の公共交通機関であるゆいレールの駅からも徒歩で6分。将来性も十分期待できる立地です。
ふたつめは、タワーマンションの「希少性」です。空港がすぐ近くにある那覇市では、原則高い建物が建てられず、「新都心」だけが超高建築物を許されているのです。したがって、沖縄を見渡せるもっとも背の高いマンションというプレミアムが付加されます。三つ目は、沖縄独特の市場背景です。現在日本では、少子高齢化が前提として語られるわけですが、じつは沖縄は出生率が全国一、長寿はご存知のとおり。しかも県外からの移住者も一定数あり、人口は増加の一途を辿っているのです。現地では、「マンション売却の際、買った時より高い金額で売れたという話は、決して珍しいことではありません」といった、かつての土地神話を彷彿とさせる会話が当然のようになされているのが印象的でした。
【物件概要】 | ||
所在地 | : | 沖縄県那覇市おもろまち1-1-1 |
交通 | : | 沖縄都市レール「おもろまち」駅徒歩6分 |
総戸数 | : | 676戸 |
専有面積 | : | 53.90㎡~133.93㎡ |
入居 | : | 平成25年12月(西棟)平成27年12月(東棟) |
敷地面積 | : | 14,216.58m2 |
構造/規模 | : | 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上30階建て |
売主 | : | 大和ハウス工業、オリックス不動産、大京 |
施工・設計 | : | 清水建設 |
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- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)