2016年04月18日更新
高級マンションの質と売れ行き
現在、首都圏の新築マンション市場は価格高騰により売れ行きが低迷しています。予定されていた2017年4月消費税再増税の駆け込み需要が期待できるかどうか不明瞭になりつつあり、「果たしてこの流れはいつまで続くのか」「経済全体にどこまで影響を与えるのか」市場関係者は注意深く見守っているといえるでしょう。マイホーム購入検討者も「いま買っていいのか」「価格が下がるのではないか」と思い悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
昨年来、市場ではこれまでになかった動きを示しています。普及価格帯の不調に対し、高額帯が好調に売れているのです。二極化はこれまでにもありましたが、その幅は広がる一方で、坪500万円以上の超高級マンションが供給、売れ行きともに未曽有の展開を見せています。
背景には、「アベノミクスで資産インフレが起きたこと」「海外の富裕層が東京に注目していること」「国や都が都心にインフラ強化の投資をしていること」「魅力的な商品が供給されていること」などが挙げられます。
マンションデベロッパーは「グロスの壁」といって、サラリーマンが手の届かないレンジになると在庫化する恐れがあるため、一戸当たりの専有面積を圧縮する傾向がありました。それがアベノミクス以降は、富裕層が魅力的と思える商品づくりに徹しているように感じます。エリアによって、受け入れられるテイストなども微妙に異なるのですが、マーケティングを入念に行い、ターゲットが評価するマンションを供給しています。坪単価を聞くと驚くような値付けでも、質がともなえばすぐに売れてしまいます。例えば「ブランズ ザ・ハウス 一番町」@770万円などは好例。天井高約2.8m(上層階は約3.1m)、免震構造採用、平均専有面積約127㎡。立地は閑静な高台地。売り出してから半年足らずで50戸弱の販売戸数は残1戸となっています。
所在地 | : | 東京都千代田区一番町22-1(地番) |
交通 | : | 東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅 徒歩3分 |
総戸数 | : | 56戸(事業協力者住戸8戸含む) |
専有面積 | : | 94.02m2~175.10m2 |
間取り | : | 2LDK~3LDK |
価格 | : | 分譲坪単価約@770万円 |
構造/規模 | : | 鉄筋コンクリート造 地上12階 地下1階建て |
売主 | : | 東急不動産 |
施工 | : | 清水建設 |
閑静な街並みに佇む高級マンションシリーズ「ホーマット」(千代田区一番町)
- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)