2015年06月13日更新
坪400万円超!?「みなとみらい」新築マンション相場が急上昇
「みなとみらい」は横浜市西区に所在する再開発エリアの名称です。従前は造船所等でしたが1983年より開発に着手。現在、街づくり進捗率は66%に達しています(「みなとみらい21」公式サイトより)。近年では商業施設「MARK IS(マークイズ)みなとみらい」(平成24年、約190店舗)や「グランドオリエンタルみなとみらい」(同年、ブライダル施設)が開業。地下鉄「みなとみらい」線も東京メトロ副都心線や西武池袋線などに乗り入れ(平成25年3月)交通利便性は飛躍的に向上しました。来街者数は年間約7200万人にも上ります(平成25年、横浜市発表)。
同地区は厳格なエリアマネジメントを採り入れていることでも知られています。建築規制ではビルの高さを制限する「スカイライン」、その他にも「色調の統一」、「広告物(看板)排除」など。街として「グッドデザイン賞」を受賞(平成18年)するなどその取り組みはさまざまな場面で高く評価されています。暮らしに直結する「ペデストリアンネットワーク」(歩行空間)や地下共同溝のインフラ整備などは先進の街づくりを象徴するもの。例えば、地域冷暖房システムは空調設備が外観やインテリアを邪魔しないなど特有の景観づくりにも貢献しています。また、液状化・地盤沈下を防ぐ地盤改良や高潮・津波被害を考慮した宅地造成(標高約3.1~5.0m)など防災面においても様々な対策が施されています。
さて、その「みなとみらい」地区において、じつに7年ぶりの新築マンション分譲がはじまろうとしています。プロジェクトは2つ。東急不動産「ブランズタワーみなとみらい」。それと近鉄不動産他「ブルーハーバータワーみなとみらい」。前者は「みなとみらい」駅徒歩2分の利便性が、後者は海が一望できる見晴らしの良い立地が特徴です。
驚くべきは他でもない「価格」。「ブランズタワーみなとみらい」は坪単価420万円前後を想定。第1期分譲は2015年6月9日~19日にかけて登録期間を設けています。ちなみに最も眺めの良い方角のひとつ、北東角住戸85.8m2の販売価格は1億2140万円~1億4280万円。坪あたり@467.7万円~550.2万円になります。「ブルーハーバータワーみなとみらい」(2015年7月分譲予定)も坪300万円後半を予定しているようです。みなとみらいの新築マンション相場は300万円台後半から400万円台前半に。まるで東京都心部のような相場観だといえるでしょう。
値付けの根拠は、みなとみらい地区における中古マンション流通相場や賃貸市場が比較的安定していることなどが挙げられます。横浜エリア居住者にとって「憧れの地」つまりステイタスを獲得したとも考えられます。そして、今後みなとみらい地区では新築マンションプロジェクトが生まれにくいことが希少性を高めているものと思われます。
「ブルーハーバータワーみなとみらい」眺望イメージ(画像提供:近鉄不動産他)
- 『家の時間』主宰
坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長。ブログ「高級マンション TOKYO」。All About「高級マンション」ガイドも努める。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)