2009年09月23日更新
憧れのサラダガーデン
家でこう暮らしたい、こんな家にしたいという「理想」って、
多かれ少なかれ、どなたにもあるかと思います。
掃除と整理整頓の上手な(好きな)女になりたい。
梅干や味噌なんかの保存食も手づくりする料理上手になりたい。
……しかし理想と現実にはギャップがつきもの。
そのギャップに苦しみつつ、私にとってきっと一生「憧れの」で
終わってしまうだろうなぁと思う理想の一つが、
庭づくり、ガーデニングです。
いわゆる緑の手をもたない私は、植物を育てるのが得意とは言えません。
すぐ枯らしてしまいます。虫も苦手です。
でも、庭のある家が大好き。鬱蒼と茂ったアジアンスタイルの庭がある
住宅やレストランに行ったりすると、もうワクワクしてしまいます。
あんな庭のある家に住めたらいいなぁ。
そしたら、庭に面してテラスをつくって、食事やお茶をするの。
長年の夢はありますが、肝心の緑の手がない……というわけで、いまだに
そういう家に住んだことがありません。
それでも。しつこく夢想は続きます。
もしも庭のある家を建てられたら、外部と内部を上手くつないだ家にしたい。
食事をしながら、自分が今庭にいるのかテラスにいるのか室内にいるのか
わからなくなってしまうようなダイニングをつくりたい。
前々回の「建築家の自邸」取材でお世話になった岡田彩子さんの家
には、
とっても広い庭がありました。
吉祥寺駅にほど近い便利な場所に、これだけ余裕のある
土地を見つけるのは大変なこと(詳しくは本文参照ください)。
そしてまた岡田さんが、素晴らしい緑の手の持ち主なのです。
小さなベランダでのガーデニングだってけっこう大変なのに、
広い庭に畑をつくって野菜や草花を育てるのは、才能がないとできません。
最近は「フーデニング」などという言葉が象徴するように、
愛でるためだけのガーデニングよりも、収穫して食べられる
サラダガーデンが話題、人気のようです。
あまり大きく本格的な庭は無理だとしても、いつかそのうち、鉢植えでもい
いから、サラダガーデンもどきにチャレンジしてみよう。
涼しくなった風に、空気が乾いてきたのを感じる収穫の秋。中島は思うので
ありました。
(上)家で庭いじりをする建築家の岡田彩子さん。たくさんの種類の植物が植えられている美しい庭に、脱帽。
(下)岡田邸2階リビングでの一枚。岡田さんと写真家の淺川敏さんと。
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)他。