2009年11月25日更新
秋探し
皆さん、インフルエンザなどにかからず、
お元気でお過ごしでしょうか。
暦の上では立冬を迎えましたが、まだそこそこ暖かくて過ごしやすいですね。
寒くないのは生活しやすいですが、紅葉が美しくならないのが残念。
ここ数年、東京都心では燃えるような銀色のいちょう並木や、
紅いもみじを見ることがなくなっている気がします。
朝晩の気温が下がって紅葉する前に、葉が枝についたまま枯れかけて
しまっているような、中間色の木々……
それでも、秋の青空をバックに色が変わりつつある大木を仰ぐのは
やっぱり気持ちよく、近くの公園を撮ってみました。
話題変わって。
昨今の家電量販店戦争、激化振りには驚きます。
エンドユーザーにとっては有難い面もありますよね、
何たってひと頃に比べたら驚くほど安いアイテムにびっくり！です。
久しぶりにテレビを買ったのですね。
宣伝するわけではないのですが、今、
量販店戦争の覇者と言われるヤマダ電機で。
機種は「リビングは、環境です」の吉永小百合さんの声に
惹かれたというわけでもないのですが、
シャープのアクオス、32インチ。
これが、少し古い型でしかもDVD再生機能も何もついていない、
テレビ機能だけのシンプルなものだからか、価格が何と5万円台だったのです。
もちろん、デジタル放送も見られますよ。
さらに、麻生内閣が決めたエコポイントを手続きすれば、
1万円ほど返ってくるので、実質4万円台で32インチの
液晶テレビが手に入ることに。
安く買えるのは嬉しいのですが、これ、何かおかしくないですか？？
素人の私が見たって、これだけ精巧な機械が4万円台の価値のわけないと
思うのです。
シャープと、関連会社で働いている方々方は、対価としての利益を
きちんと享受しているのでしょうか。
安さには喜びたいのですが、企業と働く人にきちんと対価がもたらされないような
価格競争が激化しては、景気は本格的に回復しないのではないか。
そんな思いもよぎりました。
一方、やはり最近、こんなこともありました。
8年ほど前に買った加湿機能付き電気ファンヒーターが
壊れてしまったのですね。
製造メーカーの三菱電機に連絡して来てもらい、
引き取り修理をお願いしたところ、後日電話で
「交換しなくてはならない部品が、製造中止とわかりまして」。
買った当時確か2万円程度の製品ですが、
使い勝手がよかったために、買い替えでなく修理をお願いしたかったのに。
部品が製造中止かぁ……
何とも残念な思いです。
来てくれた三菱の方曰く、
「一昔前は洗濯機の寿命は10年だったんですが、最近は5年です。
コンピュータ制御が多くなって、一つ一つの部品も昔ほど
丈夫につくられていないので、一箇所壊れるとそれで終わり、という
ことにもなりかねないんですね」
確かに、これほど新機種がどんどん発売される世の中ですから、
家電一つ一つの部品を何十年も製造し続けるということは、
なくなっているのかもしれません。
世の趨勢とはいえ、何だかもったいなくてさびしい話ですね。
複雑な思いを抱いた、2009年秋、身近な家電事情でありました。
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 
1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる！』『北欧流 愉しい倹約生活』（PHP研究所）『やっぱり住むならエコ住宅』（主婦と生活社）『住まい方のプロが教えるリフォーム１２３のヒント』（日本実業出版社）『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』（講談社＋α文庫）他。
