2010年04月28日更新
知ってますか?「住生活エージェント」
住まいを建てる、リフォームする。
多くの一般生活者にとっては一生に一度の経験ですね。
ですから知識、情報は百戦錬磨の供給側に比べ、
残念ながら買い手側の生活者は乏しいのが実情です。
そこで供給者と生活者の情報格差を埋め、
取引をより対等で円滑にするための生活者の代理人(エージェント)の
役目を果たす事業者が増えています。
しかし多くは小規模で社会的信用力が低く、
業界としても確立されていません。
このため経済産業省では、業界としての基盤を確立し、
信頼性とサービス品質の向上を図るため、
「住生活エージェントの行動基準、情報開示項目」について
ガイドラインを設けています。
住生活エージェントの具体的なサービス例には、
●住生活に関する情報の提供
●資金相談に乗る
●土地や建物、事業者の評価を行う
●図面や施工品質のチェック
●建物検査
などがあります。
しかし、実はこれらのサービスは、
特別新しいものではありません。
たとえば耐震診断などの住宅診断や、
建築家を紹介するプロデュース業なども
住生活エージェントのサービスのうちですが、
以前からあったものです。
つまり、経済産業省が上記のガイドラインを設けるに当たり、
それらを一括して「住生活エージェント」と名付けた、と
考えてよさそうです。
かくいう私も、住宅エージェントの利用経験あり。
自身が新築マンションを購入した際、一級建築士の山嵜雅生さんに
内見と打合せ立ち会いから図面のチェック等、
アドバイザー的役割を依頼しました。
当時シングルだったこともあり、私の代理人として
前面に出て交渉してくれるプロの同行はとても心強く、
依頼してとてもよかったです。
先日は、建築Gメンでもあり、住宅診断(第三者検査)なども務める
一級建築士の武田学さんにお話を伺ってきました。
武田さんが第三者検査をしたS邸も訪問。
センスよくデザイン、コーディネートされたS邸ですが、
新築に際して心配な点があり、武田さんに連絡をしたのです。
Sご夫妻と武田さんに伺った顛末を書こうと思ったのですが。。。
既に文章がかなり長くなってしまいました!
詳細は次回に続けさせてください。
S邸の玄関を開けると、ホールからガラスを隔てて中庭が見える。
「玄関ホールが明るい、中庭を囲む家」というイメージで、家づくりの構想が始まったそう。
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)他。