2013年11月27日更新
住設機器の寿命
住宅設備機器にも寿命がある。
一般的には10年を過ぎた頃から不具合、故障がみられ、
15年も経てば交換が必要なものが出てくる、と
考えておいた方がいいだろう。
私のマンションも例外ではなかった。
新築からもうすぐ14年が経とうとしているが、
昨年あたりから次々に設備機器に不具合が生じている。
まずおかしくなったのがエアコン。
稼動させると大きな音がするようになったので
メーカーに連絡。
見てもらうと、経年あるいは内部の汚れによって
稼動音が大きくなっているのでは、とのこと。
部品を分解洗浄すればよくなるかもしれないと
言われたが、但し書き付きだった。
「製造中止となっている製品ですので、
分解洗浄中に万一部品を破損するようなことがあっても、
その部分を修理できません」
えっ・・・。
しかも、無事に洗浄ができたとしても、
音が小さくなる保証はない、という。
私は絶句した。
そんなリスクをおかし、安くない洗浄料金を支払ったうえ、
音が小さくならないかもしれないだなんて!
そのうえ、14年前と今とではエアコンの性能も違い、
省エネ化が進んだ今の製品の方が、電気代が安くなる。
私は仕方なく、エアコンを新しくすることにした。
次におかしくなったのが換気扇だった。
こちらも、プロに頼んで洗浄したばかりだったのに、
稼動音が大きくなってしまったのだ。
見てもらうとこれも経年劣化とのこと。
仕方なく、換気扇も新しくした。
そして、またもだ。
今度はガス給湯器だった。
スイッチを入れても稼動しないことがあり、
ガス会社に見てもらうと故障だという。
今回は修理で済んだが、遠からず交換が必要に
なってくるだろうと言われてしまった。
ガス給湯器はガス会社に頼んで新しいものに交換すると、
40万円近くの出費になってしまう。
エアコンの時も、複数の業者に見てもらったが、
専用の1、2の機種しか使えないと言われ
数十万円の出費。。
家は建って10年を過ぎたら、こうして設備機器が
次々と寿命を迎えるため、修理、交換の資金を
用意しておかなければいけないということだろう。
今後ほかに寿命を迎える機器は、
食器洗浄器、便器、配管類だろうか。
エアコンや換気扇を交換して思ったのは、
家を建てる、あるいはリフォームする場合は、
住設機器類は交換し易いシンプルな方法で
設置するに限る、ということ。
壁の中に収めてしまうビルトイン方式の
設置は見た目は格好いいが、洗浄、修理、交換の
時に大変で不便だし、家電もそうだがこれだけ
機器類が進化していくと、旧いものを入れていた場所に
新しい機器が入らない、ということだって出てくるはずだ。
同じことが配線、配管にも言えるだろう。
そして、機器類の更新も含め、5年ごとぐらいに
家には各種メンテナンス費用がかかることを忘れず、
マンション全体でやっているような
「修繕積立金」を、個人でもしておく必要がある。
- リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
中島早苗 1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』を始め『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流 愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)他。