2012年07月25日更新
家具付き賃貸マンションは普及するか?
“サービスアパートメント”という言葉をご存知でしょうか? 暮らしに必要な家具や食器、家電製品が用意されている上に、ハウスキーピングサービス(室内清掃・リネン交換)や朝食がまでつく賃貸マンションのこと。これまでは、おもに都心部の外国人向けに展開しているケースが多く、サプライヤー(提供者)としては「森ビル」や「オークウッド」が有名どころでしょう。
「そもそもは、ホテルのような快適な住空間で短期契約できる部屋はないのか、といった外国人滞在者からのご要望がきっかけでした」(業界関係者)。ホテルでは、建物のなかでも監視されているようで今ひとつリラックスできない。それに、賃貸住宅の最大の魅力は部屋の面積がホテルに比べ圧倒的に広いこと。
しかし、この限られた賃貸分野も激動の時代のなかで転換点を迎えています。それは、都心の高級賃貸マンションがファンドの投資案件として注目され、プロジェクトの数が増加したこと。その延長上でサービスアパートメントを手がけるデベロッパーが増えています。そして、東日本大震災の影響で多くの外国人が日本を離れていくという事態が重なりました。つまり、市場の裾野が広がったことに加え、クローズなマーケットから広く需要を集める必要に迫られているのです。
第一の対処法は、日本人ニーズの掘り起こし。自宅があるのに、わざわざ借りる人がいるの? と思われるかもしれませんが、これが意外にも顕在化しつつあるようです。例えば「自宅を建て替えている間の仮住まいとして使いたい」や「地方在住者が、ワンシーズン都心に滞在したい」といったものまで。日本人向けサービスアパートメントは一般的な住居の選択肢として存在しなかっただけで、潜在的には思いもよらない需要が点在しているように思えます。
第二に、顧客ニーズに応えるかたちで新たな派生商品が誕生していることです。それが「家具付き賃貸マンション」。「長期滞在の予定だが、家具は持ち込まない」「ホテルライクなサービスは要らないから、その分少しでも割安で借りたい」といった外国人の要望が背景にあるようです。長期賃貸とサービスアパートメントの中間的な契約形態と捉えていただければ良いでしょう。これが予想以上に好評で、今ではサービスアパートメントか家具付き長期賃貸か、どちらかを選べる物件も少なくありません。
考えてみれば、インテリアにおける家具は、オーナーの好みに寄るとは言え、室内の内装テイストや部屋の大きさによって、最適なコーディネートが変わるもの。とくに大型家具ほど「サイズ」は重要なポイントです。であれば、最初から家具が用意されていれば探す手間も省けるわけだし、いずれ退去するときに(次の新居にジャストフィットするかどうかわからない)大型家具を運び出す必要もありません。そう考えれば、サービスアパートメントはよりホテルに近い仮住まい、家具付き賃貸マンションは“より合理的”な仮住まいの方法、とすみわけることができるかも知れません。
これからの賃貸住宅市場は、顧客の細かなオーダーに合わせ、サービスや設備、期間などがより細分化しそうな気がします。
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坂根康裕 リクルート『都心に住む』『住宅情報スタイル』元編集長
現在は住宅評論家として活動。当サイト編集長も努める。
著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』(ダイヤモンド社)
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