街は単なる住宅の集合体ではなく、ひとつの美しい景観
「人々が穏やかに暮らせる生活都市を郊外に」(実業家・渋沢栄一氏)-。この「田園都市思想」をコンセプトにした新しい街づくりの計画が立ち上がったのは1953年のこと。開発総面積約5,000万㎡、民間事業では国内最大規模の街が、東急田園都市線「たまプラーザ」を中心とする田園都市エリアです。
美しい邸宅街が広がるこのエリアでは、街を単なる住宅の集合体ではなく、全体としてひとつの美しい景観となるよう計画されたことが大きな特徴です。各住戸の外観は全体的な統一感をもたせつつ、シンボルツリーや生け垣で変化に富んだ表情を演出。経年変化が街全体を美しくエイジングし、より一層魅力を高めています。
高度成長期、日本では各地で同じよう大規模開発が行われました。現在、その多くが住人の高齢化や人口減少といった問題を抱えています。同エリアの開発事業主である東京急行電鉄(株)では、街が生き生きとした魅力を保つためには継続的なメンテナンスが重要との考えに基づき、開発当初よりさまざまな取り組みを実施してきました。その考えをさらに進化させたのが、同社の「ア・ラ・イエ」事業。このエリアにおける住宅の住み替え・リフォーム・建て替えなどをトータルでサポートするサービスです。
「当エリアで弊社が販売した住宅は約2万戸あり、その7割以上が築20年以上です。私たちは、この街でいつまでも暮らし続けたいと望むお客様のために、建て替え・フルリフォーム・住み替えからインテリア・エクステリアのご相談に至るまで、あらゆるメニューをご提供しています」(同社ア・ラ・イエセンター課長補佐 清水さん)。
中でも、ユニークなサービスとして全国的に注目された「ア・ラ・イエの住み替えリファービッシュ」は、既存の住宅を新築同様にリファービッシュ(磨き直し)して資産価値を高め、新たな住み手に売却するというもの。リファービッシュされた住宅は、このエリアでの居住を希望する若い世帯に引き継がれ、世代交代が進む仕組みです。
「弊社の取り組みを知り、自宅をリファービッシュして住み続けたいと希望される方や、街並になじむ新築のお住まいに建て替えたいという方も年々増えています。こうしたニーズにお応えするため、この春に総合サービス拠点『ア・ラ・イエセンター』をオープンしました」(清水さん)。
ア・ラ・イエセンターでは、田園都市の暮らしをテーマにした注文住宅の常設モデルハウスのほか、サロンと3つのショールームで住まいと暮らし全般の情報発信とコンサルティングサービスを行っています。
「最大の強みは、地域に根ざした鉄道会社という点です。お客様が弊社に持たれる安心感や信頼感の先をゆく、他のエリアにはない魅力とステータスをご提供しようと、生涯にわたる生活の質向上につながるサポートを行っています。住まいは、その中でも中核となる存在。美しい住まいが街を成熟させ、人々の暮らしの質を高めていきます」(清水さん)。
今後も時代のニーズに応じさらにメニューを増やしていくという同社。いつまでも美しい街で美しく暮らすために欠かせないものとして「時間・エリア循環性・ライフスタイル提案」を挙げています。
「時間」とは、将来の環境変化を見越し、経年によって価値を損ねない設計をすること。「エリア循環性」は、ライフステージに応じてエリア内にさまざまな選択肢があり、住み替えによって街の新陳代謝が図れること。「ライフスタイル提案」は、街の文化を醸成する豊かな暮らしの提案を発信し続けること。美しい街と人々の豊かな暮らしを追求し続けてきた同社の取り組みは、私たちがこれから住まいだけでなく街を選ぶときの大きなヒントになりそうです。
可能な限り自然の地形を残した分譲地。年2回苗木を配布する「東急グリーニング運動 緑のプレゼント」も好評。
緑、石、木、火、水など自然のエレメントを取り入れ、屋内外の心地よさを融合させたモデルハウス。ア・ラ・イエセンターでは随時ミニイベントを開催している。
取材協力:東京急行電鉄株式会社 http://www.a-la-ie.com
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