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ホーム&ライフスタイル トレンドレポートおもてなしの極意

リノベーションのいま

リノベーションという言葉が認知され、定着してきた感がある。
以前は住宅の改修というと、リフォームという表現が一般的だったが、
それとの違いは何か。
確たる定義はないようだけれど、現在ではリフォームは
元の新しい状態に戻すこと、つまり、壁紙や設備を新しくして
原状復帰させることを指すのだと思う。

それに対してリノベーションは、間取りを使いやすく変えたり
断熱性能をアップさせたりして、古くなった家に
今までと違った付加価値を与えて
生まれ変わらせることを意味するようだ。

それでも、今なお2つの表現は混同して使われていて、
リノベーションも、大きくくくればリフォームのうち、という
文脈で語られることもある。
たとえば住宅リフォーム推進協議会のHPなどでは
基本的にリフォームという表現が採用されているが、それはそれとして、
同協議会が興味深い発表をしている。

この数年で、リフォームの大型化が進んでいるのだという。
平成24年9月からの1年間で、戸建て住宅のリフォーム契約金額で
最も多かったのが、1000万円超の高額リフォーム。
全体の3割を超えていて、500万年超と合わせると6割近くになる。
マンションでは約2割で、500万円超と合わせると5割近い。
同協議会によれば、以前は内装や設備を替えるだけのリフォームが
多かったが、最近はリノベーションが行き渡ってきたとのこと。

確かに、せっかく改修工事をするなら、
リノベーションを選びたいところだ。
もし私がリノベーションをするなら、
とくに重視したいのが断熱性能アップ。

日本では1980年代頃まで、住宅を建てる際に
断熱が必要だという認識が全くなかったと言っていい。
1990年代に入ってやっと省エネに対する取り組みが始まる。
2000年の品確法以前に建てられたマンションのなかには
無断熱の建物も存在するようだ。

そうした無断熱の住宅に正しく断熱を施せば、
快適性がアップすることは言わずもがな、
省エネ性能も大きく改善され、光熱費の削減にもつなげられる。

そんな断熱性をアップさせ、加えて給排水設備や配線設備、
間取りまで一新したスケルトンリフォームによる
リノベーションの完成見学会に出かけたので、その報告を少し。

設計・施工は積水化学工業。
セキスイハイムで有名な会社だが、リノベーションを手がけているのは
ハイムとは別の、環境・ライフラインカンパニーの
集合住宅リノベーション事業推進部で
マルリノというリノベーションブランドを展開している。
古くから給排水管や断熱材などを製造してきた実績を生かし、
昨年から自社設計・施工でのリノベーション事業を始めたのだという。

築33年、78㎡のマンションをコンクリートの躯体の状態に戻し、
無断熱だった壁4面に断熱材を入れ、九州産の杉の無垢板を
使った二重床の間に新しい給排水管を配管。
断熱性、遮音性を大幅にアップさせたリノベーション後の空間に
ドアを開けて一歩入ると、すぐに杉の香りに気がついた。
都心の一等地のマンションで、国産杉の無垢板の床はいいなぁと思った。

人様の住まいを拝見すると、よい部分を真似したくなる
単純なワタシ。
古いマンションでも、大規模修繕がきちんとされて
共用部の給排水管等が取り替えられていれば、
こんな風にリノベーションして住むのもアリだなぁ、
などと思いながら、室内を撮影させてもらったのだった。





リビングダイニング。九州産杉の無垢板の床が気持ちよい空間。(画像:積水化学工業)



キッチンからバルコニー方向。(画像:積水化学工業)



洗面・バスルーム・トイレを一カ所にまとめて。

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